人間の器とは、自分は弱いと傷つきながらも、他人は凄いと感動できる。そんな素直さのことだわ

 

 「それに私から見れば和也君の方が、よっぽど強い男だわ。」

 「えっ?」

 「人間は誰しも完璧ではないわ。時に迷い、時に失敗もする。自分は弱く脆いと知りヒザをつき、それでも幸せを得たいと立ち上がることの繰り返しを、人は人生なんてさらりと呼ぶの。人間の器とは、自分は弱いと傷つきながらも、他人は凄いと感動できる。そんな素直さのことだわ。もうすでに和也君は器の大きいBIGな男よ。」

 

 「ちづるは自分の弱さを受け入れるのが少し下手ね。本当は弱い自分を強い自分っていう鉄の鎧で必死に覆ってる。そういう意味では天才的な女優さんね。でも、本当の彼女を受け止めてくれる人が必ず必要になる‥だからね‥どうか‥どうか‥どうかちづるを‥よろしくお願いします。」

 『彼女お借りします」水原千鶴の祖母と和也の会話です。

 

 

 性格、否、各特性は、約50%は遺伝により決定しています。

 外向性は53%、協調性は41%、誠実性は44%、情緒安定性は41%、開放性は61%が遺伝により決定しているというデータもあります。

 

 女性は1日3回、男性は1日6回嘘をつくと言われています。

 人間社会は、嘘をつかなければ他人との関係性を構築する事が出来ない一面もあり、また歴史を振り返ると神話等、嘘が人を進化させたと捉える事も出来ます。

 人は、嘘をつく生き物です。

 その為、他人につく嘘は致命的なものでなければある程度は仕方がありません。

 むしろ「自分嘘をつけないんで。」という人程、悪口の運び屋であったりと関わらない方がいい人である事が多いです。

 

 しかし、自分につく嘘はやめた方がいいです。

 自分に嘘をつく事を続けると、必ずどこかのタイミングで心に不調をきたします。

 「楽しくない時でも、笑顔を作って楽しそうに振る舞うと、本当に楽しい気分になる」等と言う人がいます。これも一理あるのですが、このような事を毎日のように繰り返していると、楽しい気分になる所か、心に深いダメージを蓄積する事になります。

 

 仕事において、本当の自分とは全く異なるキャラクターを演じている方も多いと思います。

 仕事においては仕方のない部分もありますが、出来るだけ本当の自分のままで仕事が出来る環境を構築していく事をお勧めします。

 交渉の場においても、相手に合わせてキャラクターを変える人よりも「自分はこういう人間です。」と自分のままで臨む人の方が良い結果が出るという研究結果もあります。

 さらに、最初から自分をオープンにしている人の方が、短期的には衝突が多くても、長期的に人生を見ると、人生への満足度も収入も高いという研究結果もあります。

 

 人生は、長期戦です。

 1カ月や1年等限られた期間であれば、強い自分を演じる事も出来ます。

 しかし、人生という長期戦において、ずっと強い自分を演じ続ける事は困難です。

 誰か1人でも、弱い自分を見せる事が出来る人に出逢えたら、その人の人生は幸せと言えるのではないかと思います。