『人間失格』の主人公、葉蔵は、子どもの頃から、人の気持ちを理解することが出来ず、苦しんでいました。
それ故に、家族を含め、誰のことも信じることが出来ませんでした。
しかし、人の気持ち等、理解することは出来ません。多くの人は、このことに気づき、半ば諦めながら、日常生活を送っています。
それでも、それが出来ない葉蔵は、苦しみ続けます。
その苦しみの中で、葉蔵は、ヨシ子と出逢います。ヨシ子は、葉蔵がお酒を辞めたら結婚すると約束をします。
約束をしたにも関わらず、葉蔵は翌日からお酒を飲んでしまいます。その葉蔵を見ても、ヨシ子は、「私と結婚する約束をしたんだから、葉ちゃんがお酒を飲むはずがない。」と葉蔵を疑わず、信じようとします。
葉蔵は、ヨシ子の「人を信じる。」という性格に惚れ、2人は結婚します。
ある日、ヨシ子は人を信じる気持ちにつけ込まれ、犯されてしまいます。
その後、2人の関係はギクシャクし、ヨシ子が大量の睡眠薬を服薬し、自殺をしようとしていることを葉蔵は発見します。
「人のことを信じる人間なんていないと思ったけど、信じる人がいたら皆そいつのことをめちゃくちゃにするじゃねえか。」
この葉蔵の気持ちが、私は、「成程、人間の性を的確に表現されている。」と感心したことを記憶しています。
太宰は、『人間失格』を執筆した後、自殺します。
その為、『人間失格』は太宰の遺書であるとも言われています。
初めて『人間失格』を読み、10年以上経過して、再びその世界に触れると、新たな発見があります。