「ーで海を制した後は‥?」
「そこからだ‥ロジャーは世間から海賊王と呼ばれるようになった‥何もずっと海賊王だったわけじゃない‥死にゆく男に称号など何の意味もない。ーだがロジャーは喜んでいたな‥何事もハデにやらかす事が大好きな男でね‥宴もそう‥戦いもそう‥己の先の見えない未来にも一計を案じ楽しんでいるようにも見えた。」
「ーやがて船長命令によりロジャー海賊団は、人知れず解散し‥全員バラバラに‥一人‥また一人姿を消した。共に命を懸けた仲間達は今やどこで何をしているかほとんどわからない。ーそして解散から一年が経過した頃ーロジャーは自首し‥逮捕され‥あいつの生まれた町イーストブルーのローグタウンで公開処刑が発表された。あの日の広場には‥今海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く‥海賊王の処刑に世界が注目してた。」
「ー私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ‥」
「おれは死なねェぜ‥?相棒‥」
「世界政府も海軍も‥驚いたろう。他の海賊達への見せしめの為行った公開処刑の場がロジャーの死に際のたった一言で大海賊時代の幕開けへの式典へと一変したのだからな。」
「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ‥探してみろ。この世の全てをそこに置いてきた。」
「残り数秒僅かに灯った命の火を奴は世界に広がる業火に変えた。あの日ほど笑った夜はない‥あの日ほど泣いた夜も‥酒を飲んだ夜もない‥我が船長ながら‥見事な人生だった‥‥」
「じゃあ‥まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてェだな。」
「‥そこはまだ‥答えかねる‥ロジャーは死んだのだ。今の時代を作れるのは今を生きてる人間だけだよ‥あの日広場でロジャーから何かを受け取った者達が確かにいるとは思うがね‥」
『ONEPIECE』海賊王ロジャーを回顧するレイリーとその話を聞く麦わらの一味の会話です。
21歳の時読み、ロジャーのように生きたいと感じた事を記憶しています。
そして、13年以上が経過した現在もこの伏線は回収されていません。
現在は、レイリーの「今の時代を作れるのは今を生きる人間だけだよ。」という言葉が胸に刺さります。
大切な存在の死を経験する事は辛い事ですが、どれだけ大切な存在を思っても、亡くなった方が私達の存在を助けてくれる事はありません。
決して亡くなった方への感謝の気持ちを忘れるわけではありませんが、亡くなった方の為に、現在を生きている私達の日々の生活を犠牲にする事は違うのではないかと感じます。
今の時代を作れるのは、今を生きている人間だけなのです。