…何で?何であの時のことが頭に浮かぶの?私はおっ父の芸が好きで、おっ父の芸はスゴイって認めさせたくて。なのに‥。ブレるな。決めたじゃん。おっ父の芸で、自分を通して勝つって…
…どうしたの?そんな顔して。迷ってるんでしょ?落語家になって、いろんな人に出会って、強い気持ちをぶつけられて。思ったんでしょ。おっ父と違うって。おっ父の仁と向き合って分かっちゃったんでしょ?…
…落語家、阿良川志ん太は、弱い人だった…
…噺は、友達なんだよね?落語家ってのは強くなくちゃいけないの?…
…今まで、おっ父の芸はスゴイって憧れて追いかけて、その所為で、見えなくなってた。おっ父の芸の本質。おっ父は、あの人達みたいに強くない。だからこそ、おっ父の語る人は、あたたくてやさしい。そうだ、私はーおっ父の弱さが好きだったんだ…
『あかね噺』あかねの脳内言葉と、子ども時代の自分との脳内会話です。
私の性格は、誠実性と開放性が高く、協調性と情緒安定性は普通、外向性が極めて低いというものです。
また、私はどうも日常生活を送る能力が極めて低いようです。
仕事に出掛ける時、よくスマホや時計を忘れますし、たまにリュックを背負う事すら忘れます。
風呂上がりには身体に泡がいつもついていますし、私が風呂から出た後はいつも床が濡れているようです。
自分では気づいていませんでしたが、私は、どうも日常生活を送る能力が低いようです。
あなたの弱さは、何ですか?
また、弱さを見せる事が出来る人はいますか?
若しかしたら、強さとは、弱さを見せる事なのかもしれません。
強い人とは、弱さを見せる事で、助けて貰える人の事を言うのかもしれません。
表裏一体。弱さは、強さに変わります。
…落語は、英雄譚じゃない。見栄っ張り、呑気や助平にお調子者。完璧に成れない普通の人間の失敗を語る芸。それ故に、弱さもまた武器になり得る。弱くてもいい。それもまた人としての味だ…
『あかね噺』阿良川志ぐまの言葉です。