休息万事

 

 「また寝てる。そんなに休む必要なんてあるのかしらね。」

 「素晴らしい明日に備えて、たっぷり休む必要があるんだ‥。おそらく大した日じゃないだろうけど、もしもの時でも準備万端さ。」

 ルーシーとスヌーピーの会話です。

 

 仕事の世界に身を置いていると、結果を出さなければ、生きていく事は出来ません。

 会社員も少しずつ成果主義が取り入れられ、会社に所属しているだけで、給料を貰えていた時代は終焉を迎えつつあります。

 私は、そうあるべきであると感じていますし、特に結果も出していないにも関わらず会社に長く勤めているというだけで年配の方の給与が高く、それに比例して意思決定権も強いという日本社会の構造が、過去30年程度の日本経済の停滞を招いていると考えています。

 

 それでも、24時間365日成果主義や生産性に追い立てられれば、身体とともに、心も壊れてしまいます。

 さらに、人付き合いは大切ですが、家族・学校・会社・地域‥と、複雑な人間関係に巻き込まれてしまうと、しがらみに縛られ、窮屈な生き方を強いられます。

 「休息万事」は「あれやこれやと思い煩う心の活動を休みなさい。」という道元禅師の教えです。

 残業をせずに帰るように言われたかと思えば、一方では結果を出せと言われたり‥。

 そんな日々を送っていれば、誰だって心が疲弊してしまいます。

 

 

 あなたのやっている仕事は、二度とない子どもの成長を一緒に経験する事を諦めてまで、する必要があるのでしょうか?

 あなたのやっている仕事は、悩んでいるパートナーとのコミュニケーションをなくしてまで、する必要があるのでしょうか?

 あなたのやっている仕事は、自らの心を追い込んでまで、する必要があるのでしょうか?

 

 もちろん、仕事をしてお金を稼がないと、生きていく事は出来ません。

 しかし、仕事をする事で、あなた自身を含めた仕事以上に大切な人と過ごす時間を捨ててもいいのかとも感じます。

 ただ、仕事に費やす時間が人生の多くを占める為、仕事を生きがいとする考え方も、間違っていないはずです。

 まるで、禅問答です。

 

 最近の私の課題の1つであるとともに、これから解決すべき日本社会の課題であると感じています。