会社の使命は、成果を出すこと

 私は、常々日本の生産性を下げているのは電話であると主張してきました。

 電話は相手の時間に一方的に侵入する行為であり、相手はその電話により、進めているはずの仕事を全て遮断されてしまいます。

 この主張に対して、怒り心頭になる人もいましたが、コロナ後の働き方の変化により、私の主張も、いささか通りやすくなってきているように感じています。電話をしていることが、仕事をしているかのように錯覚している方も、いまだに一定数存在していますが‥。

 ある実験によると、電話にすぐに出なければいけない、メールをすぐに返さなければならないと考えている人の仕事の達成度は、40%以上も低下するという結果もあります。

 これにより、1人1人の社員の業績は低下し、会社の業績も低下します。会社員であると会社のお金はどこか別にあるのではないか等という錯覚を持ってしまいますが、会社のお金は100%1人1人が稼ぎ出した利益によるものです。

 子どもにはスマホを使い過ぎないように言っているにも関わらず、その大人が電話やメールに時間や集中力を奪われて仕事をしているとは本末転倒な話です。

 また、話をしている時に、相手がスマホを一瞬でも見ると、46%の人が相手との人間関係が悪化すると答えたという実験結果もあります。

 電話やメールの縛りが、会社の業績を下げる要因であるなら、考え方や働き方を変える必要があります。

 会社の使命は、電話に出ることでも、メールをすぐに返すことでもなく、成果を出すことです。