何かを変えることができる人間がいるとすれば、その人はきっと‥大事なものを捨てることができる人だ。化け物をも凌ぐ必要に迫られたのなら、人間性をも捨て去ることができる人のことだ。何も捨てることができない人には、何も変えることはできないだろう4

 

 「いや‥間違ってないよ。」

 「は?何が間違ってないって?兵士が、どれだけ余計に死んだと思ってんだ?」

 「結果を知った後で、選択をするのは誰でもできる。後でこうすべきだったって言うことは簡単だ。でも‥選択する前に結果を知ることはできないだろう?あの巨人の正体は誰か?何人いるのか?何ができるのか?何を知っているのか?何を知られているのか?」

 

 「わからないよ。いつだって、わからないことだらけだ。でも時間って流れるし、止まったりしてくれない。結果がわからないのに、選択の時間は必ず来る。結果責任って言葉も知ってる。便利で正しい言葉だと思う。どれだけの成果をあげようと‥兵士を無駄死にさせた結果がなくなるわけじゃない。確かに団長は非常で悪い人かもしれない…けど僕は‥それでいいと思う。」

 「あらゆる展開を想定した結果、仲間の命が危うくなっても、選ばなくちゃいけない。100人の仲間の命と、壁の中の人類の命を。団長は選んだ。100人の仲間の命を切り捨てることを選んだ。」

 『進撃の巨人』アルミンとジャンの会話、そして、アルミンの言葉です。

 

 

 私達は、いつも忙しく走り回り、目先の事ばかりに捉われて生きています。

 果たして、それが理想の人生でしょうか?

 それは理想の人生ではないと、誰もが理解しているはずです。

 

 マネジメント・リサーチ・グループが行った調査によると、97%の人が「戦略的思考が成功の鍵になる」と考えていました。

 しかし、ほぼ同じ割合の96%の人が「戦略的思考の為の時間が取れない」と答えていました。

 この矛盾の回答に、多くの人は納得できる部分があるのではないでしょうか?

 

 マッキンゼーの調査によると、知識労働者は、自分の時間の28%をメールの処理に費やしていました。

 また、アトラクション・グループの調査では、プロフェッショナルは、1カ月に62回もミーティングに出席していました。

 ミーティングを次々とこなし、その合間にレポートを書き上げ、夜中までメールの返信を書く。

 自分の評価や実績に繋がり、何かを達成する為の仕事は、むしろ隙間時間に追いやらているのです。

 これが、知識労働者やプロフェッショナルの実態です。

 

 

 実際に顔を合わせる事が、生産性と会社への忠誠心の向上に繋がると勘違いしている会社は、いまだに多いです。

 そのような会社では、オンラインで働いていても、お互いの顔を見る事に、こだわっています。

 ある研究によると1週間に50時間以上働いている会社員は、他の会社員より、6%多く給料を貰っています。

 しかし、実際の所は、労働時間が週50時間を超えると、生産性はむしろ低下します。

 

 では、この状況を打開する方法は、あるのでしょうか?

 この続きは、また後程。