「あなたの夢を、そんなこと無理だって言う人いるでしょ。こう言い返してやりなさい。あなたには無理ね、でも、わたしは出来るの。あなたとわたしはちがうからって。」
「でも、言ったからには夢を叶えなきゃいけないことも覚えておきなさいよ。でかい口たたくんだから。」
『ムーミン』「リトルミイ」の言葉です。

日常的だけど、どこか社会を鋭く風刺する言葉の数々に、読む人に多彩な気付きを与える。
これが「ムーミン」に対する私の印象です。
「あんまりおおげさに考え過ぎないようにしろよ。何でも大きくしすぎちゃだめだぜ。」
「スナフキン」の言葉です。
「スナフキン」は、人にも、物にも執着しません。
誰にも頼らずに、孤独を愛し、それでありながら孤立をしていない。
些細なすれ違いを過剰に捉え、受け流せばいい事を過剰に捉え、わだかまりだけを残してしまう‥。
ちょっとした期待外れにひどく落胆し、気持ちを切り替え前に進めばいい所を過去に足を引っ張られてしまう‥。
上記のような悩みは、誰にでも日常的に生じます。
しかし、これが毎日のように続くと、生きていくのが辛くなってしまいます。
そんな時は「あんまりおおげさに考え過ぎないようにする事。」です。
昨日「ムーミンバレーパーク」に行ってきました。
高校生の頃、好きだった作家が世界旅行をする中で、フィンランドにある「ムーミンワールド」に行った時の言葉を読み、直感で「私もここに行くな。」と何故か感じた事を記憶しています。
ムーミンをテーマにしたテーマパークは、フィンランド国外では初となり、私の直感は間接的に叶う事になりました。
森と湖の中にある「ムーミンバレーパーク」は「ユニバーサル」とも「ディズニー」とも「サンリオピューロランド」とも異なる、そこでしか味わう事が出来ない世界観を提供してくれました。
森と湖の中にある影響か、すでに30度近い気温の日もある東京と比較し、涼しく到着した9時頃は半袖では寒い位でした。
自然の中にある施設の中、歩いているだけで、気持ちの良い気分になる為、日頃のストレス解消にもなります。

2021年12月にリニューアルオープンした「ムーミンバレーパーク」
リニューアル後のテーマは「Well being」です。
「Well being」とは、幸福・健康を意味し、そして、その状態が続いていく事を指します。
その意味でもペット同伴OKという事で、犬を連れている方が多かった事も印象的でした。
子どもを撮るように犬と「ムーミン」との写真を撮る姿は、多様性の1つであるなと感じました。
最早、ペットは家族です。
余談ながら「飼っている猫が体調が悪い」という理由で、自然と会社を休む事が出来る社会を作っていきたいと感じています。
「Well being」は自然の中でゆっくりな時間が流れる「ムーミンバレーパーク」と、ムーミン谷の仲間達にピッタリなテーマであるとともに、現在の世界観にも合致したテーマとなります。
「ムーミンバレーパーク」は、先週行った「サンリオピューロランド」とは異なり、生活の全てを推しに捧げるような「推し事」をしている人はいませんでした。
勿論「ムーミン」好きが集まってはいますが、生活の全てを推しに捧げるという楽しみ方ではなく、生活の中で疲れた時に「ムーミン」の仲間達に助けを借りるというような楽しみ方なのかと想像する事が出来ました。
「あんまり誰かを崇拝すると、本物の自由を得られないんだぜ。」
皆、スナフキンの教えを実践しているのかもしれません。
私が、最も感動した事は「ムーミン」の仲間達の声でした。
「ムーミン」の声優は『ホリミヤ』堀京子『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』アイリス『女子高生の無駄遣い』オタを演じている戸松遥。
「スノーク」の声優は『東京喰種トーキョーグール』神代利世『五等分の花嫁』一花『呪術廻戦』里香を演じている花澤香菜。
「スニフ」の声優は『コードギアス』ルルーシュ『中二病でも恋がしたい』勇太『七つの大罪』キングを演じている福山潤。
そして「スナフキン」を演じるのは『PSYCHO-PASSサイコパス』槙島『呪術廻戦』夏油『ジョジョの奇妙な冒険』岸部露伴を演じる櫻井さんです。
アニメファンであれば、これだけの声優が「ムーミン」の仲間達を演じる事に、大興奮してしまいます。
声であれば「ユニバーサル」「ディズニー」「サンリオピューロランド」よりも、魅力的です。
正直、ショーにおいて櫻井さんの「スナフキン」のセリフを聴くだけで、入場料の価値があると、アニメファンとしては感じてしまいます。
「縛らないことよ、自分で自分を。わたしはかわいい、わたしはブス。わたしは賢い、わたしはダメ。わたしはモテる、わたしはモテない。」
「あなた、自分をすぐ何かに決めつけようとするでしょ。本当の自分を見つけるのは、もっとずっとずっと先の話。今することは、一生懸命迷うことよ。」
「リトルミイ」の言葉です。
「リトルミイ」は厳しい事を言いますが、その内容は的を射ています。
私達は、知らず知らずのうちに、自分とはこういう人間だと、自らを型にはめてしまいます。
型にはめて考えるのは、物事を簡単に思わせてくれる反面、自分の可能性を狭めてしまう事にもなります。
特に、自分に対して後ろ向きな考えを持ってしまう時、それはネガティブな方向に自分を制限する事に繋がります。
どうせ出来ない・どうせダメ・どうせ上手くいかない等という様に、自分を縛り付けてしまいます。
そんな時に、自分をネガティブに評価するなと言われても、受け止める事は難しいもの。
そのような時に「リトルミイ」の言葉は、心に届きます。
「本当の自分を見つけるのは、もっとずっとずっと先の話。今することは、一生懸命迷うことよ。」
迷ってしまう人間の心理を、そのまま認めてしまえば、自分探しに迷う事も、怖い事でも悪い事でもないと理解する事が出来ます。
「ムーミン」は、今の時代にこそ、大人が楽しみ、その楽しんでいる大人の姿を観て、子どもが楽しむ事が出来る世界観であると感じています。