「確かに彼は魔法が使えない‥素行もあまり良いとは言えん‥学がある訳でもない。じゃが人の心を動かす不思議な力を彼は持っておる。彼のような者がこの世界の認識を変えると、ワシは信じておる。もちろん、それだけではない‥これまで魔法の使えない者は、劣等種とされてきた‥」
「じゃがワシはその不当な扱いを些か疑問に思う‥価値観は歴史とともに更新されるものじゃ‥しかし、価値観を一新することには勇気がいる。今までの非を認めなければいけないからのう。とは言えじゃ‥間違っていることは、間違っているのじゃ。」
『マッシュルMASHLE』ウォールバーグの言葉です。
私は、学校にいた時には教師が、会社に勤めていた時には上司の存在が邪魔で仕方ありませんでした。
子どもという言葉で戦う事が出来ない相手にマウントを取る教師にも、論理ではなく感情でだけ動く上司にも、うんざりしていました。
1977年~1996年の間に生を受けた世代を、ミレニアル世代と呼びます。
これまでの人類史では、親と子の価値観に多少の差異はあれど、大きな差異はありませんでした。
しかし、ミレ二アル世代と、その親の価値観には、かつてない程の差異があると言われています。
これまでの世代は、左脳的な支配的な世界や労働に、自分達の価値観を適合させなければ生きていく事が出来ませんでした。
価値観の差異を生んだ最たる要因が、テクノロジーの進化です。
ミレニアル世代は、ごく自然にテクノロジーと融合しました。
ミレニアル世代の子ども達は、学校だけではなく、家庭でもコンピュータを使って学習を始めた最初の世代です。
むしろ、学校で教わるコンピュータの授業よりも、家で実践しているコンピュータ技術の方が優れているという摩訶不思議な現象が生じていました。
ミレニアル世代の左脳は、テクノロジーの使い方や理解の仕方を学び、ゲームや立体的な教材は、教科書を丸暗記するという従来の手法とは異なり、学習を楽しく刺激的なものに変えました。
コンピュータと融合したミレニアル世代は、これまでの世代にはなかった感覚的・直感的といった右脳を発達させる事に成功しました。
会社ではミレニアル世代より上の世代の人は、支配的な左脳の働きしか持ち合わせていない人が多い為、ミレニアル世代は自分より上の世代ばかりがいる支配的な会社では活躍をしずらいです。
現代、起業や副業・転職が珍しい事ではなくなってきた事も、ミレ二アル世代が会社で働きずらいと感じる世代間格差が原因である事が多いではないかと私は分析しています。
ミレニアル世代が重視するのは、会社ではなく経験です。
2~3年働き、経験を得られたら、新たな経験を求めて転職や起業等、次の挑戦をしていく事がミレ二アル世代では当たり前となっています。
上の世代が経営する左脳的で支配的な会社では、このような価値観は、会社への忠誠心の欠如と受け取られる事が多いです。
しかし、自分で会社を経営するミレニアル世代にとっては、この予測可能で安定した労働力の移動は歓迎すべき事です。
新しい人材は、これまでになかった洞察・アイデア・スキルを会社にもたらしてくれます。
ミレ二アル世代が転職するのであれば、自分の上司がミレ二アル世代であるか否かが、新しい会社において活躍する事が出来るのかの鍵となります。
ある研究では、価値観は国ではなく、世代により決定するという研究結果が出ています。
日本人同士の20代と80代よりも、日本人の20代とアメリカ人の20代の方が、言語は違えど価値観は近いものです。
コンピュータの進化により、世界と繋がった現代。
国ではなく、世代が、世界を変える時代です。