…人間ってのはみんな、自分という存在を残すために生きてんだ。自分の遺伝子を残す行為こそ、生きとし生けるものに与えられた生存本能(プログラム)だ。誰かと繋がったり、誰かを傷つけたりして、誰かの記憶に残る行為(コト)も、それに等しい。何かを創るのも、何者かになりたいと望むのも、もちろん子孫を残すのも、自分が生きた証を、この世界に刻む行為だ…
…俺にとっては、たまたまそれがサッカーだっただけ。研ぎ澄まさせろ。俺にとって、ゴールとは受精。シュートは種。ゴールネットは卵だ。その歓喜の誕生を、俺は爆発と呼ぶ…
…俺をまだ知らない世界の人間共(クソども)に告ぐ。ゴールを、士道(おれ)の遺伝子を、孕め…
『ブルーロック』士道龍星の脳内言葉です。
脳には、細胞から細胞へと情報を伝える為の物質が、いくつかあります。
これを神経伝達物質と呼びますが、その中で最も知られているのがドーパミンです。
美味しい物を食べたり、人と交流したり、性行為等をすると、側坐核でドーパミンの分泌量が増えます。
ドーパミンが多く放出されると、ポジティブな気分となり、その行動を繰り返したくなります。
脳が、同じ事をしろと催促をするのです。
では、何故脳は、私達に食事や人との交流、性行為等をさせるのでしょうか?
その答えは、シンプルです。
人類進化の過程において、そのような行動が生存率を上げ、遺伝子を次の世代に手渡す事に繋がってきたからです。
人生における純粋な生物学的欲動とは、生存して遺伝子を残す事。つまり、子ども作る事です。
そして、脳は、それを指針とするようにプログラム(生存本能)されています。
生きる為には、食べなくてはなりません。
人との交流は、人類のように集団生活を営む生物が生き延びる為には、欠かせません。
性行為は、生殖を通じて遺伝子を残す事が出来る、プログラムに最も直結する行動です。
しかし、私達人類は、唯一他の生物と異なり、上記のようなプログラム(生存本能)以外のやり方で、次の世代へ遺伝子を残す事が出来ます。
それは、あなたの言葉かもしれませんし、あなたの文章かもしれませんし、あなたの仕事かもしれません。
士道のように、サッカーも、次の世代へ遺伝子を残す為の方法です。