「村雨「断っておくが、次に私に神の話を持ち出したら、私が、あなたのブタを全て奪う。」
「そうか、ところで神の声「ふざけるなよ。マヌケがっ!!いつまでふざけた真似を続ける!?わからんのか!?遊びながら勝てる程、甘い相手ではないと‥!!」
「神は信じられんくせに、なぜよく知らん敵は強いと信じられるのだ?」
「‥何?」
「神も悪魔も幽霊も妖怪も、ありとあらゆる他の人間たちも、お前が作り出した幻にすぎない。」
「その証拠に、誰も頭から出られないだろう?だから、聞けと説いているのだ。お前の神の声を。」
「念の為確認するが、あなたは自らを神と信じ、同時に神が幻想だとも思っている。そしてー私が聞くべきは、私の神の声だと?」
「当然だ。何も難しいことは、言っていない。」
「なるほどな。」

『ジャンケットバンク』天堂と村雨の会話です。
♦あなたの「才能」は、時と状況により、コロコロ変わる
★学生時代の成績は、BかCばかり
☆ディスレクシアという学習障害と診断がされ、周囲からは「言葉が通じない奴」と言われ続ける
★11歳になるまで「アンとジョンは、ボールを持った」というシンプルな文章すら理解が出来なかった
Apple創業者スティーブ・ジョブズの子ども時代の物語です。
ディスレクシア:「学習障害」の1つであり、全体的な発達に遅れはないものの、文字の読み書きに限定した困難がある障害
♦ジョブズの優れたデザインセンスや、未来を見通したかのような発想力は、ディスレクシアによる所が大きい
ディスレクシアの研究によると、この問題に悩む人達は、複雑なものの全体像を瞬時に見抜く力や、物事を多くの人と異なる視点から見つめる力が高い事が、わかっています。
ディスレクシアを持つ人が、情報を理解しようする場合、文字よりも、抽象度の高いイメージを使う必要があります。
その分、整理されたデータを処理する能力は劣ります。
その一方、情報をイメージとして脳に取りこむ能力が高いです。
その為、全体像を把握する事は、ディスレクシアを持たない人よりも、上手い傾向があります。
ケンブリッジ大学の研究チームは、ディスレクシアの人達は、発見・発明・創造性等の分野で能力が高く、ディスレクシアを障害として枠にはめるべきではないと主張をしています。
「‥俺、今日めっちゃ調子良かってん。ボールが手に収まる感じ。離れる感じ。エエ感触で、ブロックも良く見えた。俺のセットに不満あった??」
「‥いや別に‥」
「じゃあ何で決められへんの??」
「何やねん侑(アイツ)!」「上手いし、しゃあないやん」「調子ノってんねんて」「実際双子(あいつら)調子エエと勝てるしなァ」「ガマンやガマン」
「侑(ツム)嫌われとるで。」
「‥で?」
「‥。俺は。絶対お前みたいにならんと、心に決めた。人に優しく生きるんや。」
「何言うてんねん。」
…小っこい頃から知っとる双子やったけど、侑は、時々怖いと思った。他人に・仲間に嫌われるって、しんどいやんか…

『ハイキュー』宮侑の中学時代の回想と、アランの脳内言葉です。
★他のアーティストを馬鹿にして、殴られる
☆大先輩のダヴィンチに対し「作品を完成させないのは恥だ」と批判
★怒りっぽい所為で、弟子にも友人にも逃げられ、作品は常に1人で作らざるを得なくなる
ミケランジェロの物語です。
トリニティ・カレッジ・ダブリンの研究によると、歴史的な資料を後方的に検証した結果「ミケランジェロの一貫した仕事のルーティン・偏屈なライフスタイル・貧しい社会性とコミュニケーションスキル・生活コントロールの問題等から、彼が、高機能自閉症の基準を満たしている」と結論付けています。
学生や会社員としては、生きていく事が出来ないミケランジェロの特性ですが、彼の名が現代まで知れ渡っているのには、彼がその特性を活かす事が出来たからです。
ミケランジェロの代表作・システィーナ礼拝堂の天井画。

『最後の審判』等が描かれているこの作品は、総面積が460平方メートルにも及ぶ大規模な作品です。
そんな広大な作品にも関わらず、細部まで綿密に描かれた筆致の素晴らしさから、世界の美術史でも屈指の名作とされています。
驚くべき事に、この作品は、4年を掛けて、ミケランジェロが1人で描きました。
通常の場合は、大規模な作品であれば、工房のメンバーや弟子等が実際に描き、ミケランジェロは監督役に回ります。
しかし、ミケランジェロには、その特性故に、工房のメンバーも弟子も、誰もいませんでした。
その為、システィーナ礼拝堂には、ミケランジェロ以外の画家が描いた箇所が、1箇所もありません。
そのおかげで、作品は行動な一貫性を保ち、隅々までミケランジェロの神経が行き届いたものになりました。
天井画の為、絵を描き続けるには、首を上にねじ曲げた状態を維持しなければなりません。
そんな作業を、1人で4年続け、66歳で完成させられたのは、ミケランジェロの特性による所が大きいです。
♦普段は「自己中」「自分勝手」「粘着質」等とみなされる
♦才能を発揮出来る環境においては「こだわり」「やり抜く力」「職人気質」等とみなされる
ミケランジェロの名と作品が、現代まで語り継がれる要因は、彼の「協調性」の無さによる所が大きいです。
「なぁーにが、ナルホドだ。バカヤロウ!!さっきから何言ってんのか、さっぱりわかんねぇぞ!!!」
「ナルホドなー。」「よーし、オメーら説明しろ。」
「天堂さんは変人だけど、変人なりに筋が通ってるってことだよ。」
「彼は自分が神様じゃないと分かった上で、自分を神様だと信じている。世界がどう見えるかを決めるのは、自分の意志だと知っているから。」
「‥つまりその医師が、アイツが言う神の声ってヤツか?」
「意志・常識・正義・矜持・希望・自信。呼び方は何でもいいけど、自分が求めるモノを見つめろ。そう村雨さんに説いてるんだよ。」

『ジャンケットバンク』獅子神と真経津の会話と、真経津の言葉です。
「悪い事」と言われた事、否、自分で思っている事を、見つめ直してみましょう。
そこには「悪い事」だけではない事が、必ず隠れています。
あなたが、輝く事が出来ないのは、その環境が、あなたの「才能」と上手くマッチしていないだけかもしれません。