「…影山、珍しいね。字を書いてる?」
「?あ多分バレー日誌書いてマス。」
「へぇ…なんだか意外。もっとこう…その時のインスピレーションでプレーするみたいなイメージだったけど…。」
「おれも最初目を疑いました。」
「影山はアホで狂暴だけど、バレーにだけはそうじゃない。凄え奴だけど、最初からそうだったわけじゃなくて、ずっと、おれがバレーなんか見た事もない頃からずっとやっている。おれだったら、皆と遊びたいなーとか、新しいゲームやりたいなーとも思うかもしれない日も、毎日毎日毎日バレーやってきた。今までを知らなくても、わかる。だから、友達も居ない。」
…だから、ずっと先に居る…
『ハイキュー』清子さんと日向の会話、そして、日向の言葉と脳内言葉です。
12月22日は『ハイキュー』影山『呪術廻戦』伏黒の誕生日です。
偶然か必然か、JUMPを代表する両作品のNO2同士が、同じ誕生日である事に胸躍ります。
「影山くんは、例えば星海君と変人速攻はできないんでしょうか?日向くんのように100%の信頼で跳ぶ…わけじゃなくても、星海くんなんかは空中戦の達人ですし、はやいトスを打つ技術はきっとありますよね?変人速攻という武器の種類が増えるのは、影山くんにとっては魅力では?」
「できると思うぞ。ただ、やらないだけじゃねえかな。先生の言う通り、星海は空中戦の達人だ。星海を100%活かすなら、はやさより空中での余裕って選択なんだと思う。」
「…攻撃が淡々と決まって見えるのは、セットされた球が混じり気なく良いセッティングだからだ。打つ奴も、観てる奴も、何の違和感も無いっていうこと。…教え子が目立たなくて嬉しいって何だろうな。」
…成長するほど存在感が無くなっていくから大変。『ドラゴンボール』で速すぎて見えないってなる感じの奴…
『ハイキュー』武田と鵜飼の会話、鵜飼の言葉、そして、影山に対する作者のコメントです。
ワールドカップやJリーグ、日本代表の試合を観ていて、私が感じている違和感の1つに、攻撃が淡々と決まらない事が挙げられます。
昨シーズン、フットボールの最高レベルと評されたシティVSリヴァプールの試合、そこに混じり気のないセッティングは存在せず、どの選手も何の違和感もなく、自分のプレイをしていました。
たまに訪れる偶然のような場面ですら、これまでのプレイの積み重ねが生み出した必然となる。
このような試合が、私は大好きです。
ワールドカップやJリーグ、日本代表の試合の得点が、主にカウンターから生まれる偶然の産物である為、そこに再現性はなく、その輝きも、その時だけのものとなってしまいます。
早く、私の日常にまでなってしまった混じり気のない良いセッティングの舞台を観たい気持ちで溢れています。
…俺は、知っている。教えてもらったから、知っている。今までも、今日も、スパイカー達は、最高のトスをまっている。ー脅迫(しんらい)と自負を手に、強靭なスパイカーを伴って、コートを統べる…
『ハイキュー』影山の脳内言葉です。
毎日毎日毎日バレーと向き合ってきた、人の気持ちがわからない歪んだ性格の男が辿り着いた答えです。