「続いて栗林選手。高校生でここまでの活躍、本当に驚きです。高校生というハンデをほとんど感じさせませんでしたね。素晴らしい動きを見せてくれました。」
「トップの練習には以前から参加させてもらっていたので、そうですね‥動きについていけないということはなかったです。」
「ええ、全く見劣りしませんでしたよ。これからフィジカルトレーニングで今の細い体がしっかりとした体幹になれば‥当たり負けという弱点も消えてさらにー」
「インタビュアー泣かせなんですよ、栗林選手。つまらない質問、無意味な質問だと、まるでこちらの意図を見透かすような目をする‥やりにくいと評判です。」
…つまらない?今の質問が?…
「ー僕は、フィジカルという言葉は、テクニックのない人間の言い訳だと思っています。今の自分に何が必要かは‥自分が一番よくわかっています。自分以外でわかるとすれば、ユースの福田監督。それぐらいなので。」
「わ、わかりました。以上、本日のヒーローインタビューでした。」
『アオアシ』試合後の栗林のヒーローインタビューのやり取りと、杏里の言葉と葦人の脳内言葉です。
どんな業界においても、実力者は使わない言葉が存在します。
フットボールの場合だと「フィジカル」私が現在仕事をしている介護・福祉分野ですと「安全」「安心」「快適」等でしょうか。
きっと、これを読んでいるあなたも、どこかの分野の実力者でしょうから、多くの実力が伴わない人が使うものの、あなたは使わない言葉があるはずです。
私は、ドリブルをしている時に、足の向きが変わる選手が好きです。
特に、正面よりややアウトサイド気味でドリブルをしている最中、突然足が真っすぐ上がるような変化のあるドリブルをする選手が好きです。
そして、そのような選手がいないか探す事も、私の趣味の1つです。
ウーデゴール。
アーセナルに移籍した当初は、魅力を感じず、昨シーズンはパリを追っていた為、プレミアを殆ど観られませんでしたが、久しぶりに観たウーデゴールは、ドリブルの最中突然足が真っすぐ上がっていました。
ドリブルの最中、足の向きを変えるのは、その少しの変化で、相手の守備陣のちょっとしたバランスを崩す為と、その時間を作る為です。
しかし、これは諸刃の剣にもなります。
その意味を理解出来る指導者やチームメイトがいないと「自分勝手な選手」「周りに合わせられない選手」とレッテルを貼られてしまいます。
特に、日本のフットボールにおいて、この現象が数多く生じてきています。
メッシになるには世界一の才能が必要ですが、シャビやイニエスタ・ベルナルド・シルバになら才能と指導者・チームメイトに恵まれればなる事が出来ます。
フットボールは、フィジカルが最も重視される事のない希少なスポーツです。
野球も、バスケも、バレーも、フィジカルに恵まれなければ、スタートラインに立つ事も出来ないでしょう。
しかし、フットボールは、170㎝にも満たない男が、史上最高の選手になっているスポーツです。
あなたも、あなたの仕事において、何か拘りを持ってみてはいかがでしょうか?
その拘りが、周囲の人に理解されなくとも、私は拘りを持っている人と、話してみたいです。