…僕は。ようやく自分の最大のミスに気がつく。ーそうだ。僕は、神原に願ってはいけなかったのだ…
「お前じゃダメなんだよ。神原。」
…僕の願いは、僕に願わねばならなかったのだ。渡すのも。奪うのも。誰にも譲ってはいけなかったのだ。僕は神原を憎まねばならなかったのだ…
…後ろめたさは拭えない。それは神原に対しても。戦場ヶ原に対しても。けれども、代われるものなら代わってやりたいーとは思わない。誰も誰かの代わりになんてなれないのだから。僕は僕の立ち位置を誰かに譲るつもりなんてない…
…僕がお前の憎っくき恋敵なら、僕にとってもお前は憎っくき恋敵なんだ。ならば僕は、お前のことを憎まねばならなかったんだ。見下していた。見縊っていた。絶対に安全な高みから。たっぷりと余裕のある立場から。僕は、神原駿河を対等の立場と見ていなかった。二人を仲直りさせてやろうだなんて。神原と戦場ヶ原の仲を取り持ってやろうーだなんて。それはどれだけ嫌らしい行為だっただろう。なんて優しくてなんて酷くて悪い人なのだろう。まるで、人の皮を被ったケダモノじゃないか…
『化物語』阿良々木暦の脳内言葉と言葉です。
あなたが、高級ジュエリーを売る販売員だった場合、どのような方法で、お客様に高級ジュエリーを買って貰いますか?
使えるテクニックとして、誤前提暗示と親近化効果があります。
誤前提暗示とは、買うか買わないか迷っているお客様に対して「こちらとこちらでしたら、どちらがお好みですか?」というように、二者択一の条件を提示し、選ばせる方法です。
お客様は「買うか買わないか」で迷っていたはずが、その前提を誤らせて「どちらを買うか」にすり変えます。
この方法は、上司に企画を通したい時等にも有効であり、自分が通したい企画とダミーの企画を用意し、上司に「どちらの企画がいいでしょうか?」と相談をします。
すると、大抵の上司は「こっちの案がいいかな」というように、どちらかを選んでしまう為、企画を通さないという前提をなくす事が出来ます。
また、AジュエリーとBジュエリーのように、2つの商品を提示された場合、人は後に言われたBジュエリーの方が強調されて頭に残るという特性があります。
その為、二者択一を迫られると、人は後に言われたものを選ぶ傾向があるのです。
これを親近化効果と呼びます。
本当に買ってほしい商品は、後から提示しましょう。
悪用は厳禁ですが、これらのテクニックは立派なビジネススキルです。
そして、このようなテクニックを使いこなす事で、このようなテクニックを悪用してくる人から、あなたの大切な人を守る事が出来ます。
「戦場ヶ原…先輩…私は、先輩が好きです。」
「そう。私はそれほど好きじゃないわ。いっぱい待たせてしまって、ごめんなさいね。それでも、そばにいてくれるかしら。」
『化物語』神原駿河と戦場ヶ原ひたぎの言葉です。