内向型人間は、2つの世界に住んでいる。私達は、時折外の世界に出て他人と関わるが、1人で過ごす内なる世界が心安らぐ我が家である

 

 「あんなに一つの噺に向き合う落語家、俺ぁこぐま兄さんしか知らねぇよ。高座は勉強になるし、それにこぐま兄さんは、高座の上じゃあ別人だ。」

 …えぇ?あれが、こぐま兄さん?さっきまでと顔つきから雰囲気、もう何から何まで全然違う…

 『あかね噺』阿良川ぐりこの言葉と阿良川あかねの脳内言葉です。

 

 

 あなたは、内向的でしょうか?または、外向的でしょうか?

  ①雑談は苦手だが、深い話は楽しい

  ②複数で話すよりも、1対1で話す方が好き

  ③エネルギーを補給する為に、1人で過ごす時間が必要

  ④話し手になるより、聞き手になる方が多い

 いずれかに思い当たる人は、内向型です。

 

 日本、否、世界の学校・社会は、外向型の人が生きやすいように作られています。

 私の目には、日本の学校は、協調性と外向性の高い生徒を生産する工場のように映ります。その理由は、教師がそのような生徒の方が扱いやすく、日本の学校が昔は従順な軍人、戦後は従順な会社員を作る為に構築されているからです。

 その為、私のような内向型の人にとっては、学校や会社はとても窮屈なものとなります。

 

 

 内向型と外向型のどちらかになるのかは、遺伝により50%決定しています。

 その為、この性格を変える事は出来ません。ただ、内向型の人が外向型のように振る舞う事は出来るし、その逆も可能です。

 しかし、それはいつまでも続けられるわけではありません。

 

 内向型と外向型の人で異なるのは、精神的エネルギーの生産と消費の方法です。

 外向型の人は、外界から多くの刺激を必要とします。仮に、外界からの刺激が得られなければ、エネルギーが消耗し、孤独や疲労・退屈を感じます。

 これに対し、内向型の人は、外界の刺激をあまり必要としません。そればかりか、内向型の人にとって、社交の場はエネルギーの消耗に繋がります。その為、内向型の人は、なるべく社交の場から身を遠ざけ、自分らしく振る舞う為に1人で過ごすようになります。

 

 外向型の人が外界からの刺激を多量に必要とするのには、科学的な理由があります。

 外向型の人は、内向型の人より神経伝達物質であるドーパミンに敏感なのです。

 外向型の人はドーパミンを主な神経伝達物質として使い、内向型の人はアセチルコリンを主な神経伝達物質として使います。

 

 アセチルコリンは、思考と感情を通じて生産され、集中力を研ぎ澄まし、記憶力を改善し、幸福感を高める効果があります。

 これにより、内向型の人は、思考・観察・熟慮に時間を使う事により、外界からの刺激がなくても、自分を刺激する事が出来るのです。

 

 自分の性格を、無理に変える必要はありません。

 自身の性格を知る事が、まずは大切です。自身の性格を知ったのであれば、自身の性格に合った行動を取り、その行動を習慣化していく事です。内向型の人が、無理に外向型のように振る舞う必要はないのです。

 そうする事で、自身の性格を偽る事なく行動する事が、社会に最大限貢献し、出来るだけ幸せになる事に繋がります。

 

 

 また、大きく勘違いされている事の1つに、内向型の人は恥ずかしがり屋であるというものがあります。

 この勘違いは、世の中の人の半分の外向型の人はもとより、もう半分の内向型の人自身も抱いている勘違いです。

 内向型と恥ずかしがり屋は、関連性はあるものの、別々のものです。

 逆に、外向型の人が恥ずかしがり屋である事もあります。

 私自身、上位5%を占める程の内向型ではありますが、恥ずかしがり屋ではありません。

 

 数十人や数百人の人の前で話す事は苦痛ではありませんし、むしろ、退屈な人の話を聞いている位なら自分が話したいと思ってしまう程です。

 また、初対面の人と話す事も苦痛ではありません。

 内向型と恥ずかしがり屋は、別物なのです。

 この続きは、また後程。