出逢いと別れを繰り返し、そのエンブレムは磨かれていく。そして、その磨かれたエンブレムに今日も世界中の人々が惹かれていく

 

 「僕のプレーと笑顔は、世界中の子ども達に対する僕からの招待状なんだ。そう、一緒にサッカーをしようよっていうメッセージなんだよ。お金なんて必要ない。ボールさえあれば、いつでもどこでもサッカーは出来るんだから。僕は、サッカーをしている時が、この世の最高の喜びなんだってことをみんなに伝えたいんだ。」

 2005年ロナウジーニョの言葉です。

 

 当時の私は、ロナウジーニョと、バルサに夢中でした。

 

 あれから、18年もの歳月を経て、昨日、バルサと国立競技場にて再会しました。

 

 暗い空気感のチームにロナウジーニョが笑顔とポジティブな空気を与え、リーガ、そして、ヨーロッパのチャンピオンに君臨しました。

 しかし、その物語は長くは続かず、チームは再び低迷していきます。

 そのような中、メッシが台頭し、ペップが監督になります。

 

 ペップは、ロナウジーニョ・デコ等のスター選手を放出し、メッシ・シャビ・イニエスタ等、ラマシア中心のチーム構築に着手します。

 開幕戦こそ勝利する事が出来ず批判の的となりますが、そのフットボールは、徐々に世界を魅了していきます。

 内容と結果の両立。

 長年どのチームも成し得なかったこの偉業を、ペップバルサは成し遂げます。

 

 当時殺伐とした空気が当たり前のフットボールの試合をロナウジーニョが雪解けさせ、当時ボールを前線に蹴りその中で体格と身体能力に恵まれた選手が何となく点を取る事が当たり前のフットボールの常識をペップが変えました。

 体格と身体能力に恵まれなくても、ボールを誰よりも上手に扱う事が出来る選手達こそが、NO1である事を証明してくれた事は、フットボール界の革命です。

 その革命の象徴がメッシ・シャビ・イニエスタ全員が170㎝未満のバロンドール授賞式であり、チャンピオンズ決勝の中聖地ウェンブリーで掲げた「I LOVE FOOTBALL」というメッセージでした。

 

 昨今のバルサは、試合内容も結果も、低迷しています。

 それでも、バルサの歴史が、フットボールの歴史である事は、揺らぎません。

 私にとってバルサに会いに行く事は、過去の自分に逢いに行くようなものでした。