信長から寵愛された森蘭丸は、忠実な性格と美しい容姿であったと言い伝えられています。
ある日、蘭丸が信長にミカンを献上しようと、お盆の上にミカンを積み上げて歩いていました。
その姿を見た信長が、「そんなに持つと、ミカンを落とすぞ。」と注意しました。
案の上、蘭丸はミカンを落としてしまいました。
その後、他の家来から、「醜態だったぞ。」と注意された蘭丸は、「殿様が転ぶとおっしゃったのだから、転ばなければ殿様のお見込み違いになる。」と言いました。
愛される人は、無邪気な振舞の裏に冷静さを持っているものです。