「‥私は。あなたが助けてくださると聞いて来たんですけれど。」
「うん?助ける?僕が?そりゃあムリだ。はっはー君が勝手に一人で助かるだけさ。」
「ああいうモノってのは、どこにでもいるし、どこにもいない、とも言える。つまりお嬢ちゃん。君の視点‥心の在りようというのかな‥それが切り替わるだけなのさ。」
「禅問答ですね。まるで。」
「いいやぁ違うさぁ。君は、薄々この答えに気づいているはずさ。君は何かのせいで、そうなったんじゃない。被害者ヅラが、気に喰わねェつってんだよ!!」
『化物語』戦場ヶ原と忍野の会話です。
私が、公認心理士・ケアマネジャー・相談支援専門員等として仕事をしていく中で、心の中心に置いている言葉が、上記の「君が一人で勝手に助かるだけさ。」という言葉です。
介護・医療・教育等の分野で働く人の中には、勘違いをしている人が多いですが、どのような人でも、他者を助ける事は出来ません。
否、一時的であれば、助ける事は出来るかもしれません。
しかし、他者の人生を助ける事等、誰にでも出来ません。
介護・医療・教育等の分野で働く人は、謙虚な姿勢で、上記の事実を念頭に置き、仕事に向き合う必要があります。
ルール1:アドバイスをするな
ルール2:ルール1を守る
公認心理士等として、カウンセリング・スーパービジョン等を実施する場合に、私自身が自身に設けているルールです。
私自身、講師やファシリテーター等をする機会がありますが、そこで、他の講師やファシリテーターを観ていて、気付く事があります。
それは、アドバイスをし過ぎであるという事です。
講師やファシリテーターの知識・知能・技術等の低さと、アドバイスの量は、見事に比例します。
あなたが、研修等を受講する中で、講師やファシリテーターが、アドバイスをたくさんしてくる人がいたら「レベルの低い人」であると思って、ほぼ間違いがありません。
これは、講師と受講生に限らず、上司と部下、家族間、友人間においても、同様です。
講師やファシリテーターの立場に立てば、アドバイスをしている事で、教えているという立場を確保する事が出来る為、アドバイスをしたくなる気持ちは理解出来ます。
しかし、そこで、その誘惑に駆られ、アドバイスをしない事です。
アドバイスは、求められた時だけ、根拠とともに、簡潔にしましょう。
では、教える立場になった時や、相談を持ち掛けられた時等には、何をすればいいのでしょうか?
アドバイスではなく、交通整理をするのです。
仕事であれば、お客様の悩みを聞き、問題点を洗い出し、整理するのです。
整理とは「いらないものを捨て、必要なものだけ残す」事です。
つまり「相談者の話を整理する」とは、相談者の話から余分な情報を巣て、判断に必要な情報だけを残してあげる行為の事を指します。
相談者の話を整理しながら聴く事で、相談者本人も、自分の悩みが何であるのか等を深く理解する事が出来ます。
これにより、相談者は、頭の中にあった再現性のない妄想を行動に変える事が出来ます。
行動に変えたのなら、その結果が出る為、実験と検証を繰り返す事が出来る、再現性のある化学に変化します。
如何でしょうか?
アドバイスをしない。
アドバイスではなく、交通整理をする。
この2つの実践は、まさに「君が一人で勝手に助かるだけさ」を実行しているように、思いませんか?
世の中は、アドバイスをしたい人で、溢れています。
多くの人が、アドバイスをする事で、承認欲求を満たし、自分の存在価値を認めて貰いたいのです。
そうであるなら、アドバイスをしないという多くの人が取る行動の逆を取りましょう。
成功は、皆と同じ事をしていては、得る事は、難しいです。
成功の近道は、皆と違う事をする事です。
アドバイスをしない。
これを1年間実行し続ける事で、あなたが成功に近づく事を、約束します。