君が君のバラのために失った時間こそが、君のバラをかけがえのないものにしているんだよ

 

 「君が君のバラのために失った時間こそが、君のバラをかけがえのないものにしているんだよ。」

 『星の王子さま』キツネが王子さまに掛けた言葉です。

 

 

 王子さまが住んでいた小さな星には、一輪のバラが咲いていました。

 王子さまは、この世界にたった1つしかない珍しい花を持っていると思っていました。

 

 しかし、地球に降り立った王子さまは、同じようなバラが、たくさんある事を知ってしまいます。

 今まで特別だと思っていたバラが、実は無数にあるバラの1つに過ぎない事に気付き、王子さまは悲しい気持ちになっていました。

 

 そのような中、キツネは、大切なのはそこではないと、王子さまに伝えます。

 

 確かに、王子さまの星に咲く一輪のバラは、地球上で咲く無数のバラと、姿形は変わらないかもしれません。

 しかし、王子さまがバラの為に、水をやったり、風除けの衝立を立てたり、虫をとってあげたのは、その一輪のバラにだけです。

 

 だから、その一輪のバラだけは、どんなに姿形が他のバラに似ていても、王子さまにとっては特別で大切なものなのです。

 

 

 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」

 再び、キツネが王子さまに送った言葉です。