「とにかく問うのを、やめてはいけない。」
「人間は、その答えではなく、問う内容によって判断せよ。」
「重要なのは、正しい答えを探す事ではなく、正しい問いを探す事だ。」
アインシュタイン、ヴォルテール、ドラッカーの言葉です。
相対性理論を生んだ男も、啓蒙主義を代表する歴史家も、現代経営学の父も、皆、問う事の重要性を主張しています。
優れた問いには、観察力・洞察力・察知力を鍛える効果があります。
その理由は、優れた問いには「問いが問いを生む」性質があるからです。
たとえば「空はどうして青いのだろう?」という問いについて考えてみましょう。
その答えは、太陽光が地球の大気によって四方に散らばる際に、青い光が他の光よりも、より多く散乱するからです。
これで十分に納得出来る答えですが、ここから、さらに問いを拡げる事が出来ます。
「光によって、散らばり方が違うのは何故だろう?」
「光の分子は、どのように散乱するのだろうか?」
「太陽が、赤く見えるのはどうしてだろう?」
最初の問いを足場として、さらなる問いが、いくつも生まれてきました。
このような問いの連鎖こそが、高度な質問で得られる最大のメリットです。
トレーニングを積むうちに、私達の内面には、2つの視点が育ちます。
①世界を一段上から見つめる視点
②世界を興味を持って見つめる視点
①は、メタ認知による視野の拡大です。
メタ認知が強化されている人は、あらゆる物事を一段上のステージから眺め、そのおかげで全体を1度に見渡す事が出来ます。
メタ認知で得られる視点の拡大は、上空から獲物を狙う鷹のようなものです。スポーツの世界では、この視点をイーグル・アイと呼びます。
地表スレスレの位置で、獲物を探すよりは、引いた位置から幅広く世界を眺めた方が変化に気付きやすいのは想像に難くありません。
②は、問いの連鎖により、世界への興味が増す事です。
1つの問いから異なる問いが生まれる状態は、私達に、世の中への関心を掻き立て、それ故に周囲の小さな変化に注意を向けさせる効果を持ちます。
ミステリー小説や漫画・映画等でも、繋がりのない謎が並列されるより、謎が謎を呼ぶ展開の方が、興味を惹かれます。
同様に、問いが問いを生む体験を重ねる事で、私達の脳は身の回りの小さな変化に注意を向けるのが上手くなり、その分だけ、観察力・洞察力・察知力を上げる事が出来ます。
世の中は、問いに溢れています。
日常の中で、問いを抱く癖をつけましょう。
問いを抱き続ける事で、あなたが魅力的な人になる事を約束します。