君は自他を過小評価した材料でしか組み立てができない。少し未来の強くなった自分を想像できない

 

 ー朝授業に出席します。あなたにとって極めて重要で、大好きな授業です。ところが、中間試験の成績が50点でした。夕方帰宅しようと車に戻ると、駐車違反のチケットが切られていました。落ち込んだあなたは、話を聞いてもらおうと友人に電話をかけますが、そっけない態度で対応されてしまいましたー

 

 このような時、あなたならどのように考えますか?どんな気持ちになるでしょうか?そして、どのような行動に出るでしょうか?

 

 

 自分の能力は固定的で変わらないと信じている人は、硬直マインドセットを持った人と呼ばれます。

 自分の能力は努力次第で伸ばす事が出来ると信じている人は、柔軟マインドセットを持った人と呼ばれます。

 

 

 上記の出来事が起きた時、硬直マインドセットの人に意見を尋ねると「拒絶されるような気がする」「自分は完全に駄目な人間」「価値のない人間」等という意見が返ってきます。

 硬直マインドセットを持つ人は、その日の出来事のみで、自分の能力や価値が決まってしまうように感じます。

 そして「なんてみじめな人生」「生きていても意味がない」「皆が私をいじめる」等と考えます。

 ここで、冷静になってみてください。

 たかが学校の成績それも中間試験の結果や駐車違反、電話の対応だけで、みじめな人生になるのでしょうか?

 硬直マインドセットを持つ人達は、自殺志願者で余程自尊心が低いように感じてしまいますが、実際はそのような事はありません。

 むしろ、物事が順調に進んでいる時には、誰よりも自身に溢れ、楽観的で、快活なのです。

 ところが、何かにつまづいた途端、上記のような思考に陥ってしまいます。

 

 上記の出来事が起きた時、柔軟マインドセットを持つ人達であれば「もっとしっかり勉強しなくては。車を停める時は気を付けよう。友人はあの日何か嫌な事があったのかもしれない。今度話を聞いてみよう。」等と考えます。

 

 

 「君は自他を過小評価した材料でしか組み立てができない。少し未来の強くなった自分を想像できない。君の奥の手のせいかな?最悪自分が死ねべ全て解決できると思ってる。それじゃ僕どころか、七海にもないれないよ。」

 「死んで勝つと、死んでも勝つは、全然違うよ。恵。本気でやれ。もっと欲張れ。」

 『呪術廻戦』五条悟の言葉です。

 

 

 あなたが学校に入学したとして、学校の勉強がわからないのは普通の事です。でも、少し未来の出来る自分を想像する事が出来れば、現在出来ない勉強にも懸命に取り組む事が出来るはずです。

 あなたが新しい仕事に挑戦したとして、新しい仕事が出来ない事は普通の事です。でも、少し先の出来る自分を想像する事が出来れば、現在出来ない仕事にも懸命に取り組む事ができるはずです。

 

 硬直マインドセットを持つ人は、現在出来ない自分にしか想像が及ばず、現在出来ない自分を否定し、挑戦する事を辞めてしまいます。

 柔軟マインドセットを持つ人は、現在出来ない事は当たり前の事であると捉え、少し未来の出来る自分を想像し、次々と挑戦していきます。

 

 NASAは、宇宙飛行士候補生を採用する時、順風満帆な人生を歩んできた人ではなく、大きな挫折経験を乗り越えてきた人を採用する事に変えました。

 ゼネラルエレクトリック社のCEOジャック・ウェルチは、経営幹部を選ぶにあたり、成長の可能性を秘めた人を選んでいました。

 バレエ指導者のマリーナ・セミョーノヴァも、欠点の指摘をされて発奮する生徒を選んでいました。

 

 嫌な事があれば、誰でも落ち込みます。

 これは、マインドセットとは関係ありません。

 けれども、嫌な時でも柔軟マインドセットを持った人達は、自分を駄目だと決めつけたり、途中でさじを投げたりしません。

 苦境に追い込まれても、失敗を恐れずに試練に立ち向かい、努力を重ねていく姿は、美しいものです。