…サイマティックスキャンによって、1人1人の精神状態を分析し、数値化。それに基づいて、適正・嗜好・能力に合わせた職業選択、欲求実現の手段等を提示。1人の1人のより良い未来を提示するシビュラシステムにより、運や選択ミスに左右されない最大多数の最大幸福を実現…
…また、社会に適合出来ない人間を排除する事により、治安の維持や完全なセキュリティも実現。経済崩壊後の世界において、日本がかろうじて法治国家でいられるのは、このシステムの賜物である…
…これによって提示された精神状態の数値こそが「PSYCHO-PASSサイコパス」である。人々は、街頭スキャナー等の装置で、それぞれのサイコパスを監視されている。サイコパスの値が、一定以上となると犯罪を犯す可能性が高い人物として、犯罪を犯す前に収容される。このシステムにより、経済崩壊後の現代においても、日本人は犯罪の心配をする事なく、日常生活を送る事が出来ている…
『PSYCHO-PASSサイコパス』シビュラスステムの解説です。
日本では、防犯の為に「不審者に注意しましょう。」と言われます。
これに対し、海外では不審者という言葉は使われません。
その理由は、犯罪が起きる前では、誰が犯罪を企てている不審者なのかがわからない為です。
不審者の特徴として、マスクやサングラスをつけているとよく言われますが、犯罪を企てている人間は相手を騙そうとしている為、そのような見るからに怪しい恰好はしません。
実際、街中での犯罪の9割は、普通の恰好をした人間によって起きています。
さらに、学校において「不審者に会った時には、防犯ブザーを鳴らしたり、大声で叫んだり、走って逃げましょう。」等と教わります。
このような手法を、クライシス管理と呼びます。
しかし、実際には上記の方法も役に立たない事が多い事も事実です。
突然襲われると、恐怖で身体が硬直してしまい、防犯ブザー等を練習通りに使えない可能性が高いからです。
2011年に起きた「松戸市女児切り付け事件」では、小学2年の児童が刃物を持った男から逃げようとしたが、恐怖で足がもつれて転んだ為、刺されてしまっています。
また、警視庁の調査によると、子どもが誘拐された事件の8割は、無理矢理連れて行かれたのではなく、犯人に騙されて自分からついて行ったケースであるとされています。
この場合、被害者はそもそもクライシスであると認識出来ていない為、誘拐事件はクライシス管理では防げません。
このようにクライシス管理には、限界があります。
そこで、犯罪機会論の出番です。
どこが犯罪が起きやすい場所なのかを認識していれば、1人では近づかない・行く場合には最大限の警戒をする等により、犯罪を回避する事が出来ます。
このような犯罪機会論に基づくリスク管理が、より現実的で安全な対策となります。