「ったくお前たちは‥グズでノロマだな。勉強も学校生活も、みんな中途半端。毎日なんとなくぼんやり過ごし、一日中スマホをいじってゲームばかりやってる。」
「適当に勉強し、適当な大学に入り、適当な社会人になる。それで無難に生きていけると思ってる!だがお前たち、なんにもわかってない!この先、適当で無難な人生なんてないんだよ!なんとなくぼんやり生きられる時代は終わったんだよ!」
『ドラゴン桜2』桜木の言葉です。
投資という視点から子どもの教育を考えると「将来子どもが高い収入を得るだろうと期待して、子どもの教育に支出をする事」は「将来株価が値上がりする事を期待して、株を買う」事と、同じ行動であると捉える事が出来ます。
教育から得られる利益-教育に支払う費用=子どもが将来得る事が出来る収益
投資を考える時、誰もが「収益率」を考えます。
教育を投資という視点で見た場合も同様で、親が、子どもに対する教育に投資をする時には「収益率」を考慮する事は、当然の思考となります。
そして、教育を投資という視点で見た場合、親が出来る事は「収益率」を最大化する事にあります。
勿論、子どもに教育を受けさせる理由は、金銭的な動機に限られません。
しかし、その場合も、たとえば「学びを得る喜び」等も「収益」に含めばいいのです。
☆テストで良い点を取ったら、御褒美をあげる
★本を1冊読んだら、御褒美をあげる
子どもの学力を上げる効果を持つのは、どちらでしょうか?
答えは、★本を1冊読んだら、御褒美をあげるの方です。
学力テストの結果が良くなったのは、☆テストで良い点を取ったら御褒美をあげるのではなく★本を1冊読んだら御褒美をあげるだったのです。
何故、このような結果になったのでしょうか?
その答えは★本を1冊読んだら御褒美をあげるという「インプット」に御褒美を与えられた場合は、子どもにとって、何をすべきか明白であったからです。
これに対して☆テストで良い点を取ったら、御褒美をあげるという「アウトプット」に御褒美を与えられた場合、子どもにとって、何をすべきか具体的な方法が示されていません。
御褒美は欲しいし、やる気もある。
しかし、多くの子どもにとっては、どうすれば学力を上げる事が出来るのかが、わからないのです。
親が子どもに御褒美を与える場合、御褒美は、テストの点数等の「アウトプット」ではなく、本を読む等のインプットに対して与える事が効果的です。
上記の実験をしたハーバード大学のフライヤーは、実験の後にアンケートを実施しました。
すると☆テストで良い点を取ったら御褒美をあげるという「アウトプット」に御褒美を与えられた子ども達の回答は下記のようなものでした。
♦しっかり問題を読む
♦解答を見直す
これらも大切ではありますが、これらのテストを受ける際のルールは、基準点以上の点数を取る事が出来る生徒が、100点満点中の1,2点を取りこぼさないようにする為のものです。
それよりも、根本的なテストの点数を上げる方法は、別にあります。
♥どこがわからないのかを把握する
♥わからない所を教師に質問をする
このような本質的な学力の改善に結びつく方法までは、子どもだけでは、辿り着く事が出来ないのです。
それならば、勉強の方法を教えてくれる人がいると良いのではないかという仮説が、思い浮かびますよね?
ニューヨーク大学の研究では、子どもの学習面の面倒を見てくれる人がいる場合には「アウトプット」に御褒美を与えても、テストの点数が上昇する効果がみられました。
これは、学習面の面倒を見てくれる人が、目標の為に、どのような努力をすべきかについて、具体的な道筋を示してくれるからです。
子どもの学力に最も大きな影響を与える要因が、親の年収と学歴である事も、納得出来ます。
☆テストで良い点を取ったら御褒美をあげるといった「アウトプット」に御褒美を与える場合には、どうすればテストの点数が上がるのかという方法を教え、導いてくれる人が必要となります。