「上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でも、それじゃ首がすげ変わるだけで変革は起きない。そんなやり方じゃ、誰もついてこないしね。」
「だから、僕は、教育を選んだんだ。強く聡い仲間を育てることを。」
『呪術廻戦』五条悟の言葉です。
「子どもに、御褒美をあげる事は是が非か?」
あなたは、どのような考えを持ちますか?
☆外的インセンティブ:御褒美
★内的インセンティブ:勉強するのが楽しい
経済学では、子どもに御褒美を与える事を「外的インセンティブ」心理学では「外発的動機付け」と呼びます。
これに対し、子ども自身が勉強するのが楽しいと思う事を「内的インセンティブ」心理学では「内発的動機付け」と呼びます。
教育者や心理学者・親の多くは、御褒美のような「外的インセンティブ」を教育の現場で用いると、短期的には子どもを勉強に向かわせる事は出来るものの、勉強するのが楽しいという子ども自身の興味や好奇心を失わせてしまうと考えています。
これにより「外的インセンティブ」ではなく「内的インセンティブ」が、子どもにとって大切であると結論づけます。
確かに「外的インセンティブ」が「内的インセンティブ」を締め出してしまうような例は、数多に存在します。
★献血をする人にお金を支払うようにした途端、献血をする人が減少した
★高校生の募金活動に、集めた金額に応じて謝礼金が貰えるという仕組みを導入した途端、集まる募金金額が減少した
お金という「外的インセンティブ」が持ち込まれた途端、献血や募金活動を通じて社会に貢献したいという「内的インセンティブ」が失われてしまったのです。
これと同じように、子どもに御褒美を与える事により、勉強するのが楽しいという子どもの気持ちが失われてしまうようであるなら、御褒美をあげる事は、やめた方が賢明でしょう。
しかし、ハーバード大学のフライヤーが「内的インセンティブ」を計測した所、御褒美対象となった子ども達(処置群)と、御褒美対象にならなかった子ども達(対照群)の「内的インセンティブ」には、統計的に有意な差が見られませんでした。
つまり、御褒美が子どもの、勉強するのが楽しいという気持ちを失わせる事はなかったのです。
「御褒美として、お金をあげる事は是か非か?」
あなたは、どのような考えを持ちますか?
シカゴ大学のレヴィットが行った研究では、御褒美として、お金の代わりにトロフィーが用いられました。
すると、小学生に対しては、お金よりも、トロフィーの方が、大きな効果がありました。
これに対し、同じ研究の中でも、中学生や高校生に対しては、トロフィーよりも、お金の方が効果的でした。
御褒美として、お金をあげる事に、抵抗感を抱く方も、多いでしょう。
私は、金額や与え方を大きく間違わなければ、お金は、適切な御褒美であると考えています。
ハーバード大学のフライヤーが、行ったアンケート調査では、御褒美にお金を得た子ども達には、下記のような特徴が見られました。
☆お金を無駄遣いしなくなる
☆貯蓄をするようになる
☆娯楽や衣服・食べ物等に使うお金を減らすようになる
御褒美にお金を与えられた子ども達は、より堅実なお金の使い方をするようになったのです。
勿論、これには親の協力という条件が必要になります。
御褒美と一緒に、貯蓄用の銀行口座を一緒に作ったり、家計簿をつける等の金融教育が同時に行われる事で、上記のような特徴が顕著となります。
お金という御褒美を頭ごなしに否定するのではなく、親が金融教育を同時に行う事で、子ども達は、お金の価値に加え、貯蓄する事の大切さも学んでいきます。