「ORDER(オーダー)のオファー蹴ったんだって?」
「やりたいことがあるのよ。」
「殺し屋として最高峰のキャリアだぞ?給料だって桁が違う。」
「同期が25人いた。生き残ってるのは、私たち二人だけ。この世界は、人が死に過ぎる。教育から変えないといけないの。」
『SAKAMOTO DAYS』佐藤田の回想です。

☆6歳時点のIQ → 高い
★19歳時点での高校卒業率 → 高い
☆27歳時点での生活保護受給率 → 低い
★40歳時点での所得 → 高い
☆40歳時点での逮捕率 → 低い
「ペリー幼稚園プログラム」にランダムに選ばれた子ども(処置群)には、ランダムに選ばれなかった子ども(対照群)と比較し、上記のような特徴がみられました。
「ペリー幼稚園プログラム」により、子ども達の小学校入学時のIQや入学後の学力テストの点数は、上昇しました。
しかし、IQや学力への効果は、実は短期的なものでした。

処置群と対照群のIQの差は、小学校入学前の4~5歳時には大きかったものの、小学校入学時の6歳になるとともに小さくなり、8歳前後で差はなくなったのです。
IQや学力テストで計測される能力は「認知能力」と呼びます。
「ペリー幼稚園プログラム」は、3~8歳頃までに「認知能力」を上昇させる効果を持ったものの、その効果は8歳頃で失われ、決して長期間に渡り持続するものではありませんでした。
しかし「ペリー幼稚園プログラム」は「認知能力」に短期的な影響しかもたらさなかったにも関わらず、学歴・年収・雇用等の面で、長期的な効果をもたらしています。
この理由は、どこにあるのでしょうか?
「ペリー幼稚園プログラム」により向上したのは「非認知能力」と呼ばれるものでした。
「非認知能力」とは、IQや学力テストで計測される「認知能力」とは異なり「自制心がある」「忍耐力がある」「知的好奇心がある」等のような、人の気質や性格的な特徴を指します。
「非認知能力」は「認知能力」の形成にも大きく関与し、将来の学歴・年収・雇用形態などにも大きく影響をする事が、わかっています。
人生を成功に導く上で重要であるとされている「非認知能力」に「自制心」があります。
「マシュマロ実験」と呼ばれる有名な研究があります。
コロンビア大学の心理学者・ミシェルが行った研究で、スタンフォード大学内の保育園で、186人の4歳児の「自制心」を下記のような方法で計測しました。
①子どもにマシュマロを与える
②いつ食べてもいいけど、大人が部屋に戻ってくるまで我慢出来ればマシュマロを2つ食べられる事を伝える
③大人は部屋を退出する
④大人は部屋を出て15分後に部屋に戻る
すると、下記のような結果となりました。
☆約3分の1の子どもは、15分我慢をしてマシュマロを2つ食べる事が出来た
★約3分の2の子どもは、我慢出来ずにマシュマロを食べてしまった
ミシェルは、彼ら彼女らの人生を、その後も追跡調査をしました。
その結果、大学入学試験において、我慢が出来た子ども達の点数は、我慢が出来なかった子ども達よりも、210ポイントも高いという結果が出ました。
幼児期の「自制心」の有無は、その後の人生において、何十年も影響を与え続けたのです。
確かに「自制心」が働かないから、子どもは、非行に走ったり、本能の赴くままに性行動に走ったり、いじめをしたりします。
そして、皆さんも御存知の様に、上記のような行動は大人になっても続き、職を転々としたり、仕事をする事が出来なかったり、大人になっても男若しくは女が生活の中心になったり、持っているお金以上にお金を使ったり等、大人になっても「自制心」が働かずに、家族に迷惑を掛け続ける人が一定数存在します。
しかし、朗報があります。
「認知能力」には年齢的な閾値があるものの「非認知能力」は大人になってからも鍛える事が出来るのです。
では、どのようにすれば「非認知能力」を伸ばす事が出来るのでしょうか?
この続きは、また後程。