呪術廻戦の原点ー愛と呪いの物語3ー

 

 「君は、とても素晴らしい力を持っているね。私はね、大いなる力は、大いなる目的のために、使うべきだと考える。今の世界に、疑問はないかい?一般社会の秩序を守るため、呪術師が暗躍する世界さ。つまりね、強者が弱者に適応する矛盾が、成立してしまっているんだ。なんって嘆かわしい。」

 「万物の霊長が、自ら進化の歩みを止めてるわけさ。ナンセンス。そろそろ、人類も生存戦略を見直すべきだよ。だからね、君にも手伝ってほしいわけ。」

 

 「?何をですか?」

 「非術師を皆殺しにして、呪術師だけの世界を作るんだ。」

 

 「一体どういうつもりで、ここに来た?」

 「宣戦布告さ。お集りの皆々様。耳の穴かっぽじって、よーく聞いて頂こう。来る12月24日、日没と同時に、我々は百鬼夜行を行う。場所は、呪いの坩堝東京新宿、呪術の聖地京都。各地に千の呪いを放つ。下す命令は、勿論皆殺しだ。地獄絵図を描きたくなければ、死力を尽くして止めにこい。思う存分、呪い合おうじゃないか。」

 『呪術廻戦0』夏油傑の言葉、夏油と乙骨の会話、そして、五条悟と夏油の会話です。

 

 

 2022年12月24日世界中の『呪術廻戦』ファンにクリスマスプレゼントが届きました。

 『劇場版呪術廻戦0』がAmazonPrimeにて、配信となったのです。

 夏油の百鬼夜行に併せた、粋な計らいに、世界中の猿どもが歓喜しました。

 

 

 ダーウィンが生きていた時代、当時の世界の人々は、創造主がカンブリア紀に、三葉虫のような複雑な生物を作ったと考えていました。

 しかし、ダーウィンは、カンブリア紀よりも古い時代の化石が、将来見つかる事で、進化論の正しさが立証されると、未来の人々に希望を紡ぎました。

 

 

 最初に目を持った生き物は、三葉虫です。

 三葉虫は、15,000種いたとされ、その姿は多種多様です。

 そうした姿の多様性は、三葉虫が、トンボと同じような複眼の目を持ち、視力があった為に起こったのではないかと考えられています。

 敵や仲間、他の生物から、見えていなければ、姿を複雑にする、つまり、姿を多種多様にする必要はないからです。

 

 

 また、ヒトの祖先も海からきました。

 魚の仲間が、陸上に上がったのがヒトの起源です。

 

 3億7,500万年前、魚の中のシーラカンスやハイギョの仲間から、陸上に進出する動物が現れました。

 カエル、トカゲを始め、ヘビやワニも鳥も、ヒトと同じ四足動物の仲間です。

 そこには、恐竜も含まれます。

 四足動物は、その後の進化を経て、陸上に適応したもの、クジラのように海に戻るもの、鳥のように空に進出するもの等、各々の進化を経てきました。

 

 

 若しかしたら、現代に生きるヒトも、夏油の言うように、他者の足を引っ張り合い、進化の営みを止めているのかもしれません。

 特に、過去10年間程の日本において、その流れが顕著となります。

 地球や、生物等、ヒトでは語り尽くす事等出来ないものの物語を知る事で、謙虚な気持ちとなります。

 

 私は『呪術廻戦』からのクリスマスプレゼントを、このように変換しました。

 

 2020年以降最も面白いJUMP作品との、別れも近いのかもしれません。

 愛と呪いの物語を、最後まで堪能したいものです。