女性に最も好かれている歴史上の人物は、土方歳三でしょう。
『ゴールデンカムイ』は土方が生き残っているという設定で、主要人物として物語が展開されます。
そもそも、新選組は、幕府を守ることを大義に掲げ、結成されました。
その時代の大義としてはこれが絶対であり、江戸260年間誰も疑わずにいたものが、突如崩れ、新しい時代に飲み込まれていきました。
つまり、当時の儒教の教えである義や徳を忠実に守ったのは、劣勢になりながらも、最期まで戦い抜いた新選組とも捉えることが出来ます。
新政府は、矛盾した義の中で、生きていきます。
矛盾した義を、文明開化が誤魔化してくれたとも表現出来ます。
新選組も、新しい時代の波に飲み込まれ、京都から甲府、会津、そして函館へ敗戦を繰り返します。
最後には、共に戦った戦友はいなくなり、土方1人が函館で、戦い抜きます。
義を貫いた男、土方から哀愁と狂気が入り乱れ、物語に加えたくなるような魅力を持っています。