多勢は勢いをたのみ、少数は一つの心に動く

 

 「ー竜(ドラゴン)を見たことがあるか少年。」

 「あるわけないだろ。竜(ドラゴン)なんて、おとぎ話の中のキャラクターだ。」

 

 「いいや。確かに大昔、竜(ドラゴン)は、この空を飛んでいた。しかし、我々が滅ぼした。500年前、私達が滅ぼしたのだ。竜(ドラゴン)は忘れ去られ、本の中に閉じ込められた。もう誰も、奴らを恐れることはない。人狼が、魔女が、吸血鬼が、いつかおとぎ話の中の存在(キャラクター)になるまで狩人は闘う。」

 「狩人にならないか。少年。」

 『レッドフード』2人の狩人の会話です。

 

 

 駿河国・遠江国・伊豆国等、現在の静岡県を舞台に、武士達が躍動した時代がありました。

 

 

 平治の乱で源氏が敗れ、源頼朝は伊豆に流されました。

 20年の歳月の後、平氏討伐の兵を挙げ、伊豆国を平定し、遂には平氏を滅ぼし、頼朝は、征夷大将軍となりました。

 初めての武家政権誕生の物語は、静岡から始まりました。

 

 応仁の乱を機に始まった戦国の乱世は、全国の大名が地位や権力を奪い合う下剋上の時代です。

 武田信玄・北条早雲・今川義元…。

 静岡に所縁のある武将達が、時代を彩ります。

 戦国の乱世は、静岡を中心に行われました。

 

 そんな時代に誕生したのが、徳川家康です。

 三河国で生まれた家康は、人質として駿府の今川義元に預けられます。

 人質時代、家康は、臨済寺や清見寺で英才教育を受けます。

 心の発達に最も大きく影響を与える時代に受けた英才教育が、後の天下人となる人格を形成していきました。

 静岡を中心に行われた戦国の乱世に終止符を打ったのも、静岡が育んだ家康でした。

 

 

 時は下り幕末。

 日本は黒船の来航により、開国への道を歩み始めます。

 下田沖に停泊していた黒船で密航を企てたのが吉田松陰です。

 日本を守る為、海外の文化・技術を学ぶ事が目的でした。

 吉田松陰というぶっ飛んだ男の、人生を懸けた賭けの舞台も、静岡でした。

 松陰の夢は破れましたが、松陰の意思を継いだ弟子達が数年後に、時代を変えていきます。

 

 そして、明治維新で敗れた側の徳川慶喜が、余生を過ごしたのも静岡です。

 

 

 多くの武将が駆け抜けていった静岡県。

 彼らを、竜(ドラゴン)同様、おとぎ話の世界の住人にしておくのは勿体ないです。

 彼らの人生を、あなたの人生の1ページに添えてみる事で、あなたの人生が豊かになる事を約束します。

 そして、静岡の物語が再び彩りのある物語となる事を願います。