「自分の居心地の良い場所から、一歩外に出てみて。そこで得られるものには、それだけの価値があるから。」
『塔の上のラプンツェル』ラプンツェルの言葉です。

♦53歳
ウォルトが、ディズニーランドを開園した時の、年齢です。
愛すべきキャラクターの権利を奪われ、共に汗を流した従業員の大半が引き抜かれたウォルトですが、1匹のネズミを生み出し、逆風に立ち向かいます。
その後、ウォルト契約をした映画の配給会社は、ミッキー・マウスが活躍する『蒸気船ウィリー』がヒットをしても、ウォルトの会社に、お金を振り込みません。
その上「ディズニー社」の中心的アニメーターであるアブ・アイワークスと、勝手に契約をしてしまっていました。
ウォルトが、20歳で初めて会社を立ち上げた時に、声を掛けてくれたのが、アブでした。
…オズワルド、アリス、ミッキーマウス…
愛すべきキャラクターを生み出す為、アブとともに、汗を流してきました。
映画供給会社は、映画の収益を曖昧にしたまま、ウォルトと契約更新をしようという目論見でした。
さらに、ウォルトが、契約更新に応じれば、アブをウォルトの下に残す事も出来るという条件も出してきました。
「結構です。アブがそういう気持ちなら、一緒に働く事は出来ません。」
ウォルトは、契約の更新を、拒否します。
しかし、新しい映画の供給会社は、中々見つかりません。
ウォルトは、立ち止まりません。
「コロンビア映画」と契約を結び、アニメ作品のカラー化に、挑戦します。
カラー化に挑んだ結果『花と木』『三匹の子ぶた』で、2年連続のアカデミー賞を、受賞します。
その後も、挑戦を続けるウォルトは、アニメの長編化に挑みます。
莫大な費用が掛かる為、兄のロイも反対しますが、社運を賭けた、世界初の長編アニメ『白雪姫』は、大ヒットをします。
新しい挑戦には、逆風がつきものです。
否、逆風を最近感じないのであれば、新しい挑戦をしていないという事でもあります。
信頼していた人に、裏切られる事もあります。
それでも、裏切りを経験するからこそ、現在、傍にいてくれる人の大切さを、理解する事が出来るものです。
「ディズニーランドは、子どものためだけに作られたものじゃない。」
「いつから人は、子どもでなくなってしまうんだ?大人の中にある子どもが消え失せてしまうと、どうして言い切れるんだい?」
ウォルトの言葉です。

私達は、大人になるにつれて、様々な事を学び、成長します。
成長というのは拡大のみにならず、縮小も同時に起きます。
大人になるにつれて、社会の中に、調和して生きる術を学びます。
多くの人と出逢い、多くの知識を吸収し、色々な成功パターン・失敗パターンを学びます。
気づいたら大人になっていて「社会を知らなかった」「人を知らなかった」「知識を知らなかった」時の、子どもを忘れてしまいます。
無限に拡がっていたはずの、自分の可能性は、細く、短く感じます。
出来る限り遠くを眺めようとしても、2~3個位にしか、自分の未来は、枝分かれしていないように見えます。
勿論、これはネガティブな事ではありません。
道が細く狭まっているからこそ、すべき事が、はっきりしていると捉える事も出来ます。
ただ、もし、あなたが心に抱く夢が、現在、自分の目の前に拡がる細い道から外れているように感じるのであれば、期間限定で子どもの心を取り戻してみてください。
濁りのない眼差しで、自分の未来を、眺めてみる事も、良いのではないでしょうか?
☆絵を描いて、生きていくと言った時
★長編のアニメーションを作り上げると言った時
☆広大な敷地に、テーマパークを創り上げると言った時
大人に言わせてみれば、それは単なる夢物語です。
しかし、子どもに言わせてみれば、それは実現可能な未来の姿です。
53歳のウォルトが、現在1日の入園料だけで8億円を稼ぐ「夢の国を創る」と言った時、誰もが反対しました。
どうやら、最初に夢を語った時に、全員に反対されるような事でないと、人の心を動かすようなものを、作る事は出来ないようです。
反対意見ばかりであると、短期的に見ると、嫌な気持ちを抱くでしょう。
ただ、あなたが、それを実現させるに足る継続的な努力が出来るのであれば、長期的に見ると、反対意見ばかりを言われるあなたの意見は、成功します。
ウォルトのように、自分の中の「子ども心」を、上手に扱っていきましょう。