仕事において、お客様がサービスや商品を購入しようという承諾がなければ、会社は存続出来ません。
勘違いしている会社員も多いように感じますが、会社は金庫により隠されたお金により成り立っているのではなく、会社員が仕事の成果として得た利益により成り立っています。
その為、お客様に「YES」と言わせるテクニックを知っておく事は、あなたの武器となります。
まず、知っておいてほしい事は、本音は唇に表れるという事です。
唇の周囲の筋肉である口輪筋が緩んでいたら「YES」緊張していたら「NO」を意味します。
さらに、相手が口を閉じてこわばっていたら「納得していない。」若しくは「自分がしゃべりたい。」と感じています。
相手がリラックス出来るような関係性構築に努め、リラックスしているタイミングを見極め交渉に臨めば、相手が「YES」という確率は上がります。
アメリカで行われた実験によれば、最初に小さなお願いをして、少し時間を空けてから本来したい大きなお願いをすると、説得率が飛躍的に上がるという結果が出ています。
心理学では、このテクニックをフットインザドアテクニックと呼ばれています。
この実験では、ボランティアが家庭を訪ね「交通安全の看板を家の前に立てさせてほしい。」とお願いしました。
すると、看板を立てさせてくれた家庭は、わずか17%という結果でした。
次に、交通安全の小さなシールを貼るお願いをしました。
すると「シール位なら。」等と多くの家庭が許可をしてくれました。
そして、その2週間後にシールを貼る事を許可してくれた家庭に看板を立てさせてほしいと依頼した所、76%の家庭が承諾してくれました。
最初から大きなお願いをした場合に17%だった承諾率が、小さなお願いから始め、それから大きなお願いをするというステップを踏んだ事で76%もの承認率となりました。
どうして、このような事が起きるのでしょうか?
その理由は、人には自分への評価を維持しようとするバイアスが働く為であると考えられています。
人は、小さなお願いに協力した事で、良い事をしたという自己評価をします。
そして、自分のイメージの一貫性を守ろうとするあまり「次の大きなお願いにも承認をしなければ。」等と思ってしまうのです。
このようなデータや心理的背景等から、説得するのが難しそうな大きなお願いをする時には、最初に小さなお願いをする事が、大きなお願いを叶える為に有効である事が理解出来ます。
承認誘導テクニックを知り、使いこなす事は、自身の仕事に活かすとともに、上記のような方法であなたに迫ってくる人がいたら注意をする等、自身の資産を守る為にも役立ちます。
個人的には、不動産会社、法人向けの保険営業、自由診療の医療等の業界が、この手法を活用してくる事が多い印象を持っています。
人の心理を知る事は、自らの利益を得る為以上に、自らの資産を守る事に役立ちます。