大脳基底核を使い、直観に従う

 「凪もゴール前に戻ってる。よし。凪なら高さで競り合えるし‥落下地点には千切が蟻生より先に辿り着く。このパスは、通らない。」

 「気づいてよ、オシャさん。その発想(パス)は、点じゃなく、線で感じて。」

 「成程。この放物線は、落下地点まで待っていては誰かのモノになる合図(パス)‥。だからこそ捉えるべきは、放物線が描くその途中、俺にしか許されない空中到達点。」

 「ヤバい。個人でしか戦ってなかったTOP3が、連動し始める。蟻生×蜂楽の化学反応。凛を止めれば勝てると思ったのに‥蜂楽の発想(アイデア)が試合の進化を加速させる。」

 『ブルーロック』蜂楽の蟻生へのメッセージを込めたパスに対する一瞬の駆け引きを表現した場面です。

 プロ棋士とアマチュア棋士が、将棋の駒の動きに対して、脳のどの部位を働かせているかを調べた実験があります。

 ちなみに、正答率はプロ70~80%、アマチュア50%でした。

 アマチュアは、大脳新皮質を働かせていました。

 大脳新皮質は、合理的思考や分析的思考、または言語機能等を司る部位です。名前の通り、人が進化をしていく中で、新たに獲得してきた部位であり、この部位の大きさがその生物の知能と比例すると考えられています。

 つまり、大脳新皮質を使い将棋の駒の動きを考えていることは、想定内の結果です。

 しかし、プロは大脳基底核を使い、将棋の駒の動きを考えていました。

 大脳基底核の部位は、大脳古皮質とも表現され、言葉通り、生存本能に関わるような食欲や性欲等を司る部位であり、知能が低い生物程、この部位が大きいと考えれています。

 将棋の駒を動かすことで考えると、プロは直観で、アマチュアは理性で考えていたと言えます。

 たしかに、何かのプロと言われるような人に話を聞いたり、解説を聞いたりすると、その話の内容や解説にがっかりすることが多いです。

 それは、理論や分析を司る大脳新皮質を使わず、直観を司る大脳基底核を使い、そのスポーツや仕事等と向き合っていたからではないかと、この実験から仮説することが出来ます。

 『ハイキュー』においても、天才肌である影山や西谷は、大脳基底核を使いバレーをしている為、人に上手く教えることが出来ません。

 たしかに、何かに取り組む時に、その都度大脳新皮質を働かせていたら、脳は疲弊して、新しい情報を得ることが出来なくなります。

 これは、習慣にも通ずるところがあります。

 人は、選択をすることに喜びを見出していると思われていましたが、最新の研究では人は選択をすることに疲労を感じている、選択疲れの状態にあると言われています。

 人が、1日に選択出来る上限は、15回とも言われています。

 大脳基底核を使い直観により判断をすることと、習慣とが、上手く繋がり、とても興味深い発見が出来ました。