天才と精神疾患は同じ構造で出来ている

 私達は、日々膨大な数の情報にさらされています。

 目にしているものや聞こえているもの、腕や脚の位置、寒いか暑いか、心臓の鼓動や悩み等、そのような情報を脳は昼夜問わず、受け取っています。

 あるデータでは、人類が誕生してから2003年までの情報量と同じだけの情報量が現在は3日で流れているといいます。

 このような情報を全て意識していては、許容量をすぐにオーバーしてしまい、何も出来なくなってしまいます。

 そこで、働いているのが視床です。

 視床が、私達が情報の波にのまれてしまわないよう、フィルターとして働いています。

 現在の科学では、脳内で情報が溢れてしまう現象は、精神疾患の1つである統合失調症の症状であると考えられています。

 現実から乖離し、妄想にとらわれ、視覚や聴覚による幻覚におそわれてしまうのは、視床がフィルターとしての役割を果たせていないからであると考えられます。

 脳が1度に大量の情報を受け取ってしまう為、現実の世界が認識出来なくなってしまいます。

 そして、無意識のうちに、現実に変わり得る別の世界を作り出してしまいます。

 たしかに、統合失調症の方と話していると、現実と異世界との間を行き来しているかのように感じます。

 私も書きながら感じていますが、これは別の見方をすれば、天才を表現しているようにも聞こえます。

 事実昨今のアニメも、『無職転生』等、異世界転生が主流になっています。

 つまり、天才と精神疾患は、紙一重の部分が多分にあるのです。

 統合失調症の人には、しばしば奇抜な思考パターンが見受けられれることがあります。

 多くの人が視床のフィルターにより取り除いていた情報が、大脳皮質と意識に送られると、独特の発想を得たり、多くの人とは異なる視点で物事が見えるようになることも頷けます。

 アインシュタインやベートーヴェン、ゴッホ、太宰治等が良い例でしょうか。

 では、精神疾患と天才を分岐させるものは、何でしょうか?

 現代の科学では、脳の他の機能が正常であれば、情報量が多過ぎても病気になる可能性は低いのではないかと言われています。

 そして、脳を正常に働かせる為に最も効果的な方法は、運動です。