奇跡を最初から起こそうなんて人、いないと思う。ただ一生懸命夢中になって何かをしようとしている。何とかしたい。何かを変えたい。それだけのことかもしれない。だから起こせるよ奇跡、私達にも

 

 「奇跡を最初から起こそうなんて人、いないと思う。ただ一生懸命夢中になって何かをしようとしている。何とかしたい。何かを変えたい。それだけのことかもしれない。だから起こせるよ奇跡、私達にも。」

 『ラブライブサンシャイン』高海千歌の言葉です。

 

 

 2024年2月25日静岡県沼津市にある「あわしまマリンパーク」が閉園しました。

 1963年に開業した「あわしまマリンパーク」は、淡島という駿河湾に浮かぶ無人島にある水族館です。

 伊豆半島側にある同園のフェリー乗り場から、小型船に5分程乗船をすると「あわしまマリンパーク」に着きます。

 

 船に乗って行くという珍しい水族館で、その演出は他にはない魅力でした。

 水族館はというと、お世辞にも見所満載とはいえないものの、水族館の魚達の7割をスタッフ自らが捕まえてきたという事もあってか、どこか人懐っこさがありました。

 人懐っこいエイを観たのは、後にも先にも「あわしまマリンパーク」だけです。

 「あわしまマリンパーク」は、地元民の憩いの場として、経営を成り立たせていました。

 

 

 そんな「あわしまマリンパーク」が注目を集めるようになったのは、2016年『ラブライブサンシャイン』のアニメ放送が始まってからでした。

 『ラブライブサンシャイン』は沼津市の学校を舞台にしたアイドルグループ「Aqours」の奮闘と成長を描く物語。

 「あわしまマリンパーク」はキャラクターの1人、松浦果南の実家のモデルとなっています。

 

 キャラクターの声を担当した声優9人のグループ「Aqours」は、国内外で様々なライヴを開催し、2018年には紅白歌合戦に出場し、2022年には2度目の東京ドーム単独公演を成功させています。

 

 沼津市と『ラブライブ』の事例は、町おこしの代表例として、度々注目されてきました。

 沼津市の観光客は、2014年には380万人でしたが、2018年には450万人にまで増えました。

 

 「あわしまマリンパーク」は聖地巡礼の場所となり、世界中から集まる『ラブライブ』ファンの交流の場にもなっていました。

 伊豆半島と淡島を繋ぐ小型船も『ラブライブ』仕様となっています。

 

 

 しかし、その夢は、永遠に続きませんでした。

 閉園の理由を園長は、建物の老朽化と餌の高騰等を言っています。

 これは、会社という観点から見れば、建物の老朽化を立て直すお金と餌の高騰に耐えるだけのお金、つまり、収益が出ていないという事です。

 

 現代は、ただ「昔からあるだけの施設」では生き残っていけません。

 世界を旅するをテーマとする「横浜ズーラシア動物園」圧巻のショーだけでなく、イルカやペンギンと触れ合い生き物に興味を抱くきっかけを提供してくれる「横浜八景島シーパラダイス」絶叫マシンとトーマスに全振りした「富士急ハイランド」等、集客をするには、その施設に行く絶対的な理由が必要です。

 「昔からあるだけの施設」として生き残っていけるのは「上野動物園」位ではないでしょうか?

 

 

 あなたも、推しの施設やお店があると思います。

 その推しの施設やお店は奇跡で成り立っているのではなく、あなたが落とすお金で成り立っています。

 推しがいるのなら、推しとの関係を続ける為に、そこに足を運びましょう。

 

 「あわしまマリンパーク」園長は、再開を諦めていないそうです。

 閉園から再開をしたら、それこそ「あわしまマリンパーク」に行く絶対的な理由が出来そうです。