「好きなことを仕事にしなさい。」と簡単に大人は無理を言います。
この言葉を信じた子どもが、どれだけ不幸になっているかを思うと、「好きなことを仕事にしなさい。」という言葉の罪深さを感じます。
スポーツを真剣にやってきた経験がある人であれば、理解できると思いますが、ある日を境に「自分は、このスポーツが本当に好きなのか?」と悩む日が訪れます。
好きで始めたはずなのに、「部活に行きたくない。」「練習が休みになると嬉しい。」という気持ちを経験するからです。
小学校高学年から、中学校位に、このような気持ちを抱くのではないでしょうか。
私も、この気持ちとずっと葛藤していました。
周囲からの「本当にサッカーが好きだね。」という言葉に笑顔で応じるものの、どこか違和感を感じていました。
高校生となり、私は、「サッカーが、自分の表現方法なんだ。」と感じるようになりました。
サッカーを通じ、自分を表現できることは、この上ない快感でした。
そして、サッカーをしているおかげで、何もせずとも、友人に恵まれました。
「1人でボールを蹴ったり、ミニゲームをすることは好きだけど、部活は別に好きではない。でも、自分を表現できた時の快感は好き。」これが私の本音でした。
この経験から、必ずしも、好きを軸に人生の舵をきる必要はないことを学びました。
林修が、「パンを作るのが大好きだけど、不味いパン屋。パンを作るのは嫌いだけど、美味しいパン屋。どちらを買いますか?明白ですよね。仕事に好きか、嫌いかは関係ないんですよ。」と言っていました。
仕事は好きか、嫌いかではなく、自分が勝てる土俵なのか、どうかで選択すべきです。
そして、その選択の後に、選択を正解にしていく努力を重ねていけばいいと思います。