ある実験があります。
好きを仕事にした人達、つまり自分はこの仕事が大好きだと仕事に取り組むグループと、割り切って仕事をしている人達、つまり仕事は仕事と割り切って日々の仕事に取り組むグループの2つの、その後を追った実験です。
その後、全員のスキルと仕事の継続率を図ると、優秀であったのは割り切って仕事をする人達でした。
一見、好きを仕事にする人の方が、スキルも高くなり、仕事の継続率も高くなると思います。しかし、実際の結果は異なるものでした。
このことから、社会に溢れている「好きなことを仕事にしなさい。」という考えが科学的に間違っている可能性が高いことが証明されます。
仮に好きなことを仕事に出来たとして、最初は喜びを感じられるかもしれません。ただ、現実は甘くありません。
どんなに好きな仕事でも、クレーム対応やサービス残業、煩わしい人間関係等のような面倒ごとは必ず発生します。
すると、好きなことを仕事にしていた人程、「本当は、この仕事が好きではないのかもしれない。」等と考えます。
その結果、スキルは身につかず、離職率も上がるのではないか、このように推測することが出来ます。
「好きを仕事に。」の火付け役は、2005年ジョブズのスタンフォードでのスピーチでしょう。
しかし、ジョブズ自身も好きを仕事にしていたわけではありません。もし、ジョブズが好きを仕事にしていたら、彼は、スピリチャルの指導者になっていたはずです。
さらに、好きを仕事にしていたら、ゴッホは聖職者として一生を終えたでしょうし、ココシャネルは売れない歌手のまま、ナポレオンは無名の小説家、ヒトラーも無名の芸術家であったことでしょう。
歴史上の偉人をみても、「好きを仕事に。」が正しい選択とかけ離れていることが理解出来ます。