「心理と感情は、常にイコールじゃない。時に全く不合理に思える結論を出してしまうのは、そのせいだ。」
『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』平塚静の言葉です。
あなたは、人に妬みを感じた事があるでしょうか?
禍の根幹には、妬みがある事が多いです。
「何故あの人ばかり贔屓されるの?」「何故あんな人が結婚出来るの?」「何故あの人がお金をたくさん持っているの?」等、妬みは人の数程、存在します。
特に、会社等、似たような能力の人が集まる組織の中で、仕事をしている場合、そこは妬みで溢れている可能性が高いです。
人は、出世を意識していると出世している人に妬みを感じ、結婚を意識していると結婚した人に妬みを感じ、お金を意識しているとお金持ちに妬みを感じます。
このように悪い事ばかりのように感じてしまう妬みですが、本当に必要がない感情であるなら、人類の進化とともに淘汰されているはずです。
妬みとは、他者の存在を強く意識し、自分の存在価値を維持したい欲求の現れです。
これは、人が安全に生き抜く為に、必要な能力です。
戦国時代の戦も、昨今の戦争も、自分の不安を煽り、自分の評判等、自分の存在に脅威をもたらす敵と一戦を交える事で出来るだけ早く排除し、自分の地位を盤石にしたいという欲求から生じています。
つまり、妬みは、有能な相手から自分の資源を確実に守るセンサーのような役割を担っているのです。
しかし、多くの人は妬みを間違った方向に捉え、活用している為、自らの妬みにより事態をさらにこじらせています。
妬みは、自分と関連性が高く・優れた能力や所有物がある人に対して生じるという特徴があります。
そして、妬みは上手く活かしていく事が出来れば、あなたの能力を上げてくれる存在として働いてくれます。
わかりやすく妬みを「悪性の妬み」と「良性の妬み」に分けます。
「悪性の妬み」も「良性の妬み」もその対象は、自分より優れた相手である事に違いはありません。
しかし、その時に感じる感情と志向性が異なります。
「悪性の妬み」の感情は、敵意・怒りです。これに対し「良性の妬み」の感情は、羨望です。
「悪性の妬み」の志向性は排他的、つまり「あの人さえいなければ」という志向性となります。
「良性の妬み」の志向性は協力的、つまり「あの人と一緒にやりたい」という志向性となります。
妬みを持つ事は、当たり前の事です。
ただ、その妬みを「悪性の妬み」として捉えるのではなく「良性の妬み」として捉える事が出来れば、その妬みは自分を奮起させる原動力となります。
妬みを正しく活用する事が出来れば、いつの間にか、あなたは妬む人ではなく、妬まれる人になっています。