「子供が親の期待通りに育つとは限らないだろう?子供だって、親に期待するんだからーさ。お互いの期待値がうまく噛み合わず、ズレてしまったら、とんでもない化物に成長することだってある。」
…なぜか僕はその時。忍野は、羽川の話をしているようにー感じていた…
「私は、こんなに娘らしくしているのに。」
…羽川はー血の繋がっていない親との距離を縮めるために。期待に応えるために。ーあれほどの完全無欠のいい子で、あり続けようとしている。ーんじゃ。‥ないのか?…
『化物語』忍野の言葉と阿良々木君の脳内言葉、羽言の言葉、そして再び阿良々木君の脳内言葉です。
私達は、誰もが、生まれた時から、繋がる事を待ち続けています。
繋がる事により、私達は、家族との絆を深め、友達を見つけ、パートナーを作っていきます。
特に、子どもの頃に、繋がりを切望する気持ちが満たされないと、大人になってからも、心身の健康に深く影響しかねません。
心理学では、上記の理論を愛着理論としています。
愛着理論とは、人と繋がる力や人の話を聴く力、人と関係を構築している力等は、子ども時代に、親にしっかりと要求を聞いて貰い、親ときちんと繋がりを持つ事が出来たかにより、変わってくるというものです。
1歳になる頃には、赤ちゃんの脳には、親がいかに自分の欲求に応えてくれたかに基づいて、人間関係とはどのようなものかの自分なりのテンプレートが刻まれます。
量子力学的に言えば、愛着を形成する能力であるあなたの愛着スタイルは、親の脳波があなたの脳波と、どの程度同調したかで決まります。
エインズワースは、子どもと母親を短時間分離し、再会させた時の子どもの反応をみるというストレンジ・シチュエーション法を用いて、愛着形成の分析を行いました。
①A型(回避型):離れていた母親と再会しても、そっけない態度で母親を避けようとする。自立的な態度に見えるが、成長するにつれて、分離不安を起こす等の不適応がみられる
②B型(安定型):母親から離れる時は嫌がっても、しばらくすると1人遊びを始め、再会した時には喜ぶ。母親について、自分を理解し、的確に要求に応えてくれる存在であると認識をしている
③C型(両価型):離れていた母親と再会すると、叩いたり、物を投げたりする等の激しい反応を示す。母親に関する信頼が半信半疑であり、信頼関係が十分に形成されていないと認識をしている
④D型(混乱型):離れていた母親と再会すると、戸惑う。虐待をしていたり、威嚇していたり、子どもに過度の期待をしている等の家庭である事が多い
もちろん、誰もがこのスタイルのどこかにきれいに該当するわけではありません。
多くの人は②安定型と①回避型③両価型④混乱型の3つに不安定型のいずれかのグラデーションのどこかに該当します。
あなた自身の愛着スタイルを分析する事も大切ですが、愛着スタイルはパートナーとの掛け合わせにより、大きく上昇したり、下降したりします。
パートナーや仕事の同僚や友達等が精神疾患ではないにも関わらず、上手く関係を築く事が出来ない人である場合、その背景には愛着スタイルが隠れている事が多いです。