居心地がよい会社は成長できない

 「フラットな会社」「モチベーション向上」「部下も上司を評価」という現代の職場環境は正しいのでしょうか。
 もちろん、その職場環境が合う場面はあると思います。
 しかし、その場の居心地の良さばかりを追求する会社が成長できるとは思いません。
 リーダーはいかに組織を合理的に機能的に動かしていくかを理解する必要があります。
 私は、このような視点を養うためには、違う組織を観察することが大切だと感じています。
 私の場合は、歴史上の人物達が作り上げた組織であったり、フットボールのチームであったりします。
 信長ならどのように組織を動かすか、秀吉なら信長のためにどのように組織を動かすか、家康なら今後100年維持できる組織を構築するためにどのように組織を動かすか等を考えます。
 また、フットボールのチームからは現在進行形で組織を観察することができます。
 チームという組織における選手の役割、監督の役割、経営者の役割、またはチームという会社における選手の役割、監督の役割、経営者の役割等、見方は多岐にわたります。
 たとえば、チェルシーの監督サッリは、「ポゼッションが我々の哲学である。」と試合前会見でよく答えます。
 この言葉は、マスコミはもちろん、世界中のチェルシーファンをはじめとするフットボールファン、相手チームを含むライバルチーム、さらには明日試合に臨む自らの選手へのメッセージでもあります。会見を利用し、自らの哲学を提示し、世界中に自らのチームの存在価値を説いています。
 職場環境をどのようにするのも自由であり、1つの正解はありません。
 ただ、そこには哲学が必要な気がします。