「Zebra。」
ケニア・マサイマラ国立公園をサファリしている時に、ドライバーとサポート役がシマウマを見つけたと声を掛けてくれました。
環境の影響とは想像以上に凄いもので、マサイマラ国立公園にヘリで到着し、1時間程度はキリンやゾウ、ライオン等がサバンナを動く姿に感動しましたが、その後はそれが日常になってしまい、感動する事もなくなっていきました。
まして、シマウマは東京で人にすれ違うが如く、良く出会う為、アフリカにいながら、ドライバーやサポート役の親切心を傷つけないように振る舞うという謎の作業を繰り返していました。
サバンナに昇る朝日も、サバンナに沈む夕日も、サバンナを行き交う野生動物の姿も記憶のアルバムにしまっていますが、不思議と上記のような出来事をよく思い出します。
私は、昨年人生で1番体調が良いのではないかと思う程、体調が良かったです。
今年は、様々な悲しい出来事や嬉しい出来事が重なるとともに、まとまった睡眠が中々取れなかったり、楽しみにしていたアニメや漫画を中々観る事が出来なかったり、勉強をする時間が取れなかったりと、複数の出来事が重なり、昨年のように体調が良くありません。
食事・運動・睡眠。
この3つが体調を良くする為の基本です。
そして、この3つに加え、最もお手軽に体調を良くする方法があります。
その方法とは、自然と触れ合う事です。自然と触れ合うというと大袈裟ですが、自然の風景を見るという事です。
千葉大学の研究では、森の中を散歩するだけで、ストレスホルモンが16%減少し、交感神経の活動が4%減少、血圧が1,9%減少、心拍数も4%減少したという結果が出ています。
また、日本医科大学の研究では、東京のビジネスマンを森に連れていき、3日間2~4時間森の中をハイキングした所、免疫細胞であるナチュラルキラー細胞が40%も増加したという結果が出ています。さらに、ナチュラルキラー細胞は1カ月経過しても15%増加した状態で維持されていたというから驚きです。
東京には自然がないと考える方も多いですが、都心程、緑が多い公園や神社がある上、歩道に木が植えられています。
森を散歩する程の効果は得られませんが、都心の公園や神社の中で過ごしたり、木が植えられている歩道を歩く事でも、同様の効果を得る事が出来ます。
自然がここまでの効果を発揮するのは、ヒトの感情システムに影響を与えるからです。
感情システムは、ヒトの心の働きを3種類に分類した考え方です。
興奮:喜び・快楽等のポジティブな感情を作り、獲物や食事を探す為のモチベーションを生み出すシステム。ドーパミン等により制御されている。
満足:安らぎ・親切心等のポジティブな感情を作り、同じ種族とのコミュニケーションに役立つシステム。オキシトシン等により制御されている。
脅威:不安・警戒等のネガティブな感情を作り、外敵や危険から身を守る為のシステム。アドレナリン・コルチゾール等により制御されている。
私達が、体調良く過ごす為には、3つのシステムがバランス良く機能していなければなりません。
興奮ばかりを追う人生は退廃に至り、満足しているだけの毎日に成長はなく、脅威ばかりの日々に楽しみは訪れません。
それぞれの感情が噛み合ってこそ、ヒトは上手く機能出来るのです。
自然は、3つの感情システムを良く刺激します。
季節の移ろいや草木の変化が程よい興奮を生み、緑に守られる安心感が心地よい満足感を生み、森や川に潜む未知の存在が時に脅威を生みます。
自然の中にいれば、特定のシステムのみが暴走する事はなく、3つの感情システムがバランス良く機能するのです。
生活の中に自然を取り入れる事が、あなたの体調を良いものに導いてくれます。