常識という餌をバラ撒けば、大衆はワンサカ食いつてくる。食いついた魚は、片っ端から釣りあげられ、商売の材料に使われるのさ。もっと先を読めば、その常識をバラ撒いたヤツがいる。その常識で一儲けを企む国や企業だ3

 

 「今まで何度か保険についてのお話を伺いましたが‥あなた方の説明の仕方は、私が思うに‥非常に胡散臭い。」

 

 「言葉が過ぎることは謝ります。しかし、あえて申し上げたい。」

 「いえ‥お客様のご意見は、謙虚に承ります。」

 「私は、数学教師です。性格上、数字に関することは、どうしても譲ることができない。」

 「よく存じ上げているつもりです。」

 

 「たとえば、さきほど話題にあがり、保険会社のCMでもよく流されている二人に一人がガンになる時代というのはホントなんですか?」

 「保険会社がテレビコマーシャルなどで使っている二人に一人のコピーは、国立がん研究センターが出しているデータ。現在年齢別がん罹患リスクを根拠にしているのでしょうが‥たしかに、生涯でガンになる確率は、男性62%女性46%で、まさに二人に一人。」

 「しかし、よくよく見てみると、0歳の人間が70歳までにガンになる確率は、男性21%女性19%にすぎず、80歳でも男性41%女性29%にとどまっています。つまり、二人に一人がガンになるのは80歳以上の話ですよね。これは数字を使ったレトリックなのでは?」

 

 「日本人の平均寿命は、男性80歳女性87歳ですから、ガンになるのは寿命のほぼ直前であり‥ガンにならなくても、結局は他の病気や老衰で死ぬことになる。二人に一人がガンになる時代。このコピーは、決して嘘ではないが、巧妙な心象操作にすぎない。」

 「ガンという人々が恐怖を抱く病名を強く印象づけて、保険加入へ誘導するためのセールストークとしか私には思えないのですが‥いかがでしょうか?」

 『インベスターZ』財前父の保険のおばちゃんとの会話、そして、財前父の言葉です。

 

私は高見の見物をさせてもらうわ まあ・・・せいぜい頑張って 一度聞いてみたいと思ってたけど‥‥‥ こんなお金持ちの家に生まれて  なぜキミは株をやってるの? お金持ちの家に生まれたから 自分にお金が要るの 本当の自由を手に入れるために 本当の自由・・・・・ 与え ...

 

 

 

 私も、保険会社は、詐欺集団であると思っています。

 少々言葉がキツイですが、保険会社は詐欺集団であると思って、関わった方が、あなたやあなたの大切な人の資産を守る上で必要な事であると思います。

 

 先日保険会社の方とお話をしていく中で、保険を勧めてきた為、私が上記の財前父のような話をしたら、その保険販売員の方はやや興奮し「私の両親も高齢なので、私の両親が騙されたというような商品を私は売りません。」等と謎の主張をし始めました。

 

 

 「それ正論?俺、正論嫌いなんだよね。」

 『呪術廻戦』五条悟の言葉が頭を過ぎり、つい口から出そうになりましたが、何とか堪える事が出来ました。

 

 私の持論ですが、正論を言ってくる人からは、距離を置いた方が賢明です。

 感情的な主張に終始し、自分の意見に賛同する人を味方・意見が違う人を敵という世界観を持っている人が多く、正論以上の知識をこちらが知りたくてもそのような人はそのような知識を持っていません。

 

 

 「保険は不要」という事が世の中にバレ始めてきたのなら、正論以上の業界の裏側や保険に対するその人独自の見解等の知識や知恵を届ける事が、保険販売員の価値ではないかと私は思うのですが、そのような事を提供してくれる保険販売員や保険会社の人と出逢った事がなく、とても残念な気持ちです。

 

 

 生命保険は「相互扶助」の考えを基に、生まれました。

 戦後日本における生命保険の普及においても、一生懸命に販売ノルマを達成しようとする戦争未亡人(保険のおばちゃん)と保険加入者の間に、暗黙の「相互扶助」があったと想像する事が出来ます。

 

 保険販売方法は「GNP」と呼ばれています。

 「義理(G)」「人情(N)」「プレゼント(P)」の3つです。

 
 知識に乏しい保険のおばちゃん達は「GNP」で、日本中に保険を浸透させました。

 この手法は、「保険は不要」という事が一定の知識を持つ人達においては常識になっている現在においても、そのような知識のない人をターゲットとし、続いています。

 

 

 生命保険文化センターの調査によると、2022年時点の生命保険加入率は、男性78%女性82%です。

 一世帯当たりの年間払い込み保険料は、371,000円です。

 この年間保険料を仮に、30年間払い続けると、いくらになるでしょうか?

 

 30年間払い続けると1,113万円、40年間払い続けると1,484万円になります。

 地方であれば、家の購入よりも、保険料の支払いの方が上回り、生涯の1番大きな買物は、保険という謎の人生が出来上がってしまいます。

 ちなみに「保険料は一生上がりません」という保険会社の言葉は「一生保険料を払い続けて下さい」という意味ですので、意味を履き違えないように。

 

 

 「保険は、早く入れば入るほど、お得なんです。歳をとってからだと、入りたくても入れない場合があるんです。」

 「やはり、保険は早いうちに入った方がいいんでしょうか?」

 「そうですとも。早く入れば、そのぶんお得なんです。」

 

 …あれお母さん‥早くもおばさんの側に取り込まれてるよ。お母さん、素直すぎるんだよなあ。でも、普通はみんなきっとこうなんだろう…

 …保険の外交員は、あの手この手いろんな武器を準備してる。一般の顧客は、保険の知識はゼロに等しいから、丸裸同然。これは戦にならない…

 『インベスターZ』保険のおばちゃんと財前母の会話、そして、財前の脳内言葉です。

 

 

 「保険は、不要」

 これが私の持論ですが、保険が全て悪というわけではありません。

 

 あなたの年齢や資産・家族構成等により、必要な保険もあるかもしれません。

 しかし、本当にあなたやあなたの大切な人に必要となる、否、得をする保険を探す事は、殆どの人にとっては困難を極めます。

 「保険は、不要」という事は、学校においても、家庭においても、教わりません。

 

 あなたの人生やあなたの大切な人の人生を守っていく為には、勉強をするしかありません。