強いセンターフォワードがいるチームは強くなれない

 マンチェスターユナイテッドは、チャンピオンズ4戦目にしてユベントスに勝利しました。
 ユナイテッドには、ルカクという大型のセンターフォワードがいます。
 ルカクは190㎝以上の体格を持ち合わせ、テクニックもスピードも兼ね備えており、理想のセンターフォワードと呼べる存在です。
 しかし、チームに理想のセンターフォワードがいると、チームとしての強さや成長が停滞してしまうように感じます。
 攻撃がその選手に頼ること一辺倒になってしまい、単調なフットボールになってしまうからです。
 事実、ユナイテッドはユベントス戦やリーグ戦、ルカクを欠くことにより、パフォーマンスも向上し、結果もついてくるようになりました。
 振り返れば、最強バルサにも、ワールドカップユーロと3連覇をしたスペインにもセンターフォワードは不在でした。
 ユーロ2012年初戦イタリア戦、スペインがセスクをゼロトップのような形で起用したことは現在でも記憶に残っています。
 何かが欠けているからこそ、それぞれのアイデアや技術の融合が生まれるのかもしれません。
 私がベルギー代表監督であれば、ルカクではなく、メルテンスをトップに起用し、それをアザールとデブライネが支える布陣を採用します。
 これにより、アイデアや技術の融合が生まれ、新たなフットボールの扉を開く可能性があるからです。
 強くて大きい体格に恵まれた選手だから活躍できるわけではないことがフットボールの醍醐味です。