後楽園

 現在の東京ドームシティ、小石川庭園の場所は、かつて水戸藩上屋敷でした。

 水戸黄門で有名な水戸光圀が完成させ、徳川最後の将軍慶喜が生まれた地でもあります。

 現在にも残る小石川庭園はその頃の姿を400年以上残し、都心とは思えない緑美しい庭園です。

 後楽園とは「天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ。」という意味です。

 まさに、リーダーが目指すべき姿です。

 後楽園は、将軍や有力武士を接待する為に、作られた庭園です。日本史を振り返れば理解出来るように、文化は平和な時代に花開きます。現在まで受け継がれている数多くの文化は、江戸260年が生んだものが多いです。

 後楽園は、庭を1周すると、日本を小旅行出来るような仕掛けになっています。

 江戸から中山道を通り、京に着くまでを、見事な景観で演出しています。

 その為、琵琶湖や嵐山、奈良の光景等を庭を眺めながら、感じ取ることが出来ます。

 水戸藩は徳川御三家の1つ。つまり、戊辰戦争で敗北した側です。

 維新後、他の武家が所有していた庭園は次々と取り壊しにあいます。

 水戸の屋敷も例外ではなく、取り壊しにあいました。

 しかし、小石川庭園だけは残ります。

 これは、庭好きであった山縣有朋が「これだけの庭園。取り壊すのは忍びない。」と口添えをしたからであると伝わっています。

 幕末、維新と萩のメンバーではあったものの庭好きである事位しか特に何かを残した印象がなかった山縣ですが、彼のおかげで小石川後楽園が残ったと考えれば、それは偉業です。

 都心の真ん中にある小石川庭園からは、草木の中から聞こえる電車の音が、見事にハーモニーとして感じ取ることが出来ます。