忠と実

 会津と長州の2つの藩を比較することで日本人の思想を考えることができます。
会津と長州の戦いは、価値観の戦いです。
 会津は忠義の藩です。会津においてお金は、汚いものだと教えられていました。
江戸時代飢饉の際、会津は会津漆器やお酒、朝鮮人参等を作り、売ります。
 長州は実利の藩です。長州では、お金は必要時に利用するものだと教えられていました。長州では塩や蝋、紙を作り、売ります。
さらに下関において船に必要な物を貸し出したり、お金を貸す金融を始め、現在でいう総合商社のような商売を始めます。
 会津が作った物は付加価値商品です。長州が作った物は生活必需品です。
付加価値商品にはこの商品には価値があるという信頼が必要です。また、付加価値商品は持たずとも生活には困りません。
 これに対し、生活必需品は生活に直結するため、信頼等がなくても買わざるを得ません。
この生産物の違いからも両藩の違いが見えてきます。
 現在でも小学校において、会津では戎の掟が朗読され、長州では吉田松陰の言葉が朗読されています。
忠の会津、実の長州、両者の違いを知り、学ぶことで日本人の思想を知り、将来の日本に活かすことができるのではないでしょうか。