我がカルチョ

 高校生の頃、両親にイタリア代表のニット帽を買ってもらいました。着用していたスパイクは、バッジオモデルでした。中学生の時、最も多く観た試合は、ユーロ2000イタリアVSオランダでした。

 最近、北川さんの影響により、再びナポリ以外のイタリアの試合を多く観ています。

 振り返れば、小学生の時に観たセリエAダイジェストが、世界のフットボールへの扉を開いてくれました。

 私は、良くも悪くも、攻撃は10番任せであるイタリアのファンタジスタ達に憧れました。

 現在、トップ下という10番のポジションはなくなり、全ての攻撃のタクトを1人の選手が握ることも、なくなりました。

 あの頃のイタリアは、10番、ファンタジスタが試合の鍵も、チームの勝敗も、人気も担う、最後の時代でした。

 その姿に憧れ、毎日ボールを蹴っていました。

 「ボールを持てばミスをする。だから、相手にボールを持たせる。」モウリーニョの言葉です。

 イタリアといえば、カテナチオ、守備に美学があります。最近は、攻撃に重きを置かれるようになり、これにより、セリエAも人気を取り戻してきました。

 90年代のイタリアを知る者からすると、ナポリやアタランタのようなフットボールを展開するチームがイタリアから出る等、信じられない気持ちです。

 しかし、どの国もペップやバルサのようなフットボールをしてもつまらないという一面もあります。違いがあるからこそ、面白く、フットボールは進化します。

 攻撃に戦術があるように、守備にも戦術があります。イタリアには、守備の戦術を生み出してほしいです。

 時代は周期し、20年以上経過し、フットボールの中心が、再びイタリアに戻る日があるかもしれません。