我が闘犬

 『ガットゥーゾは、私と似ている。戦う男という点においてだ。」

 ナポリ名物会長の言葉です。現在の世界で、これほど俺様経営をするのは、トランプとラウレンティスだけではないでしょうか。

 それでも、経営破綻していたナポリを買い取り、セリエA昇格を果たし、ヨーロッパを魅了するフットボールを披露するようになった功績は偉大です。

 私がナポリを追いかけ4年目にして、初めてナポリがタイトルを獲得しました。

 「いい試合をするけど、ここ1番の試合で負け、必ずユベントスに競り負ける。」これがナポリに対する多くのフットボールファンの印象ではないでしょうか。

 サッリが去り、アンチェロッティが現実的なフットボールを試し、現在ガットゥーゾがその花を開花させつつあります。

 ユベントスとの決勝戦、前半と後半で戦術を大きく変えたナポリ。私は、ガットゥーゾの指示ではなく、選手の判断であると考えています。

 しかし、「勝者だけが正義」である世界において、勝利という結果を出せば、それは監督の功績となります。選手時代から見てきたガットゥーゾが、監督としてミランで失敗をして、ナポリでその階段を昇り始めたことは、フットボールファンにとっては、涙腺が緩むような出来事です。

 コロナウイルスにより妹を亡くしたガットゥーゾ。会長が契約の話を持ち掛けたら、「俺より、選手を優先してくれ。」と言ったガットゥーゾ。

 優勝した後、珍しい光景がありました。ガットゥーゾが、静かに、ゆっくりと選手全員に語り掛けてたのです。

 「チームって複雑だからな。人が複数いて、ちゃんと力を合わせるって結構難しい。別に出る杭打つべしって言うんじゃねえの。なんつーのかな、チームがハマる瞬間てのは、多分お前が思っているよりずっと気持ちいいぞ。」

 ナポリを観ていて、『ハイキュー』黒尾の言葉を思い出しました。