戦場ヶ原さんは、阿良々木くんが帰るべき場所を作った‥だから私は、阿良々木君がいずれ出ていく場所を作っておこう

 

 …戦場ヶ原さんは、阿良々木くんが帰るべき場所を作った…

 …だから私は、阿良々木くんが、いずれ出ていく場所を作っておこう。阿良々木くんが助けるべき人々は、世界中にたくさんいるはずだから…

 『化物語』羽川翼の脳内言葉です。

 

 

 大切な人が帰るべき場所を作ろうという発想は多くの人が持っていますが、大切な人がいずれ出ていく場所を作ろうという発想は多くの人は持っていないのではないでしょうか?

 

 アメリカの心理学者エインズワースは、子どもは養育者との愛着関係により育まれる安全基地を拠り所として、やがて外の世界を探索出来るようになると唱えました。

 子ども時代に、養育者との愛着関係が育まれず、外の世界を探索し出してしまうと、外の世界で他者との関係性を構築する事が困難となります。

 

 生物の進化とは、長い時間を掛けて、別の生物種になる事を言います。

 同じ仲間の生物が集まって出来るグループを種といいます。

 種の中で生まれた子どもは同じ種ですが、時に親達とは違う子どもが生まれる事があります。

 そのような子ども達が集まり出来るグループが、新しい種となる事があります。

 このようにして、生物は進化をしていきます。

 

 昨日『僕らの時代』において中村獅童が「伝統を守るとともに、時代を切り拓く。」松岡昌宏が「新たな挑戦で、後輩に伝える。」等というような話をしていました。

 

 「おかえり」とともに「いってきます」が言える環境を構築していく事が、大人の出来る事なのかもしれません。

 そして「おかえり」を言える場所は1つかもしれませんが「いってきます」の先にある世界は、いくらでも選択する事が出来ます。

 大人が子どもに出来る事は「いってきます」の先にある世界の選択肢を増やす事なのかもしれません。