才能と運

 大学時代、野球部の友人に「どれだけ頑張っても、上手くいかない。」と相談を受けたことがありました。その時、私は、「成功する為には、才能と運が必要。才能がなければ、どれだけ頑張っても、成功は出来ない。」ということを読書で予習していた為、その言葉が喉まで出かけましたが、堪えたことを記憶しています。

 フットボールにおいて、プロになれるような選手、特にヨーロッパにおいて、活躍している選手は才能の塊です。しかし、同じ才能を持ち合わせていても、スターとなる選手と、そうでない選手がいます。

 たとえば、単純な1対1であれば、アダマ・トラオレが世界一ではないでしょうか。どんなビッククラブも彼を、1人で止めることは出来ません。彼は、1人でチームと対決することが出来る数少ない選手です。しかし、トラオレはバルサのカンテラから放出され、その後もプレミアの下位チーム所属を繰り返しています。今シーズンの活躍でバルサが買い戻しを検討しているようですが、彼がバルサで活躍出来る姿を想像することは難しいです。

 また、エムレ・モルも、才能だけでいえば、メッシに勝るとも劣らないでしょう。しかし、ドルトムントを退団せざるを得なくなり、その後は、ヨーロッパ主要リーグに所属することも出来ていません。

 さらに、ドリブル・キックの質両方において、最も優れた選手は、ドグラス・コスタでしょう。しかし、彼がネイマールのようなスターとなることはありません。

 成功する為には、まず第一に才能が必要です。しかし、才能だけでは大きな成功は出来ず、その先には運が必要です。運を持つ選手には、成功出来る環境が整います。フットボールの世界を観ていると、成功する為には、才能と運が必要であることを改めて認識することが出来ます。