「又八‥この世に強い人なんておらん。強くあろうとする人、おるのはそれだけじゃ。」
「弱い者は、己を弱いとは言わん。お主は、もう弱い者じゃない。強くあろうとする者、もう一歩目を踏み出したよ。ほうら言うたじゃろ。お主の未来は、広がってゆく。八の字の如くに。負けるな又八。負けるな。」
『バガボンド』お杉の言葉です。
日本において、精神疾患を有する人の数は、2002年では258万人でした。
それが、2020年には615万人に増えています。
私の仕事の一部は、精神疾患を持つ人を直接支援する事である為、その点では過去10年間大きな数の変化は感じていません。
私が最近数年間で感じているのは、認定調査等で高齢者宅を訪問した時に立ち会う家族に、鬱病・適応障害等の精神疾患を患っている人が多いという事です。
その人達は、仕事をしている人も多く、親の介護以外にも、自分の家族があったりする人もいます。所謂、統合失調症の様に見えない誰かと闘っているようなわかりやすい精神疾患ではなく、ある程度の仕事が出来るような見えにくい精神疾患を持っている人が多くなってきたと感じています。
そこで、感じるのが、その悲しみを怒りに変えて伝える人が、一定数いるという事です。
気持ちは理解出来ますが、悲しみを怒りに変換して伝えるのはやめましょう。
特に、大切な人へ悲しみを伝える時に、多くの人は悲しみを怒りに変えてしまいがちです。
自分の気持ちをわかってくれて当然であると思うと、悲しみは怒りに変わってしまいます。
素直に悲しみのまま伝えれば、きっとあなたの気持ちをわかってくれます。
悲しみを怒りに変換して、伝えるのはやめましょう。
「ただ真っすぐに、一本の道を進むのは美しい。じゃが、普通はそうはいかぬもの。迷い・間違い・回り道もする。それでええ。振り返ってごらん。あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、迷いに迷ったそなたの道は、きっと誰よりも広がっとる。道が広がった分、お主は誰よりも人に優しくできる。わしも、武蔵も、なれなかった人間になれる。」
『バガボンド』お杉の言葉です。