「立ち上がったパン姐さんをはじめ、幹部はみな清居の顔がプリントされたTシャツを着ている。会場ではすごくおしゃれな服を着ていたのに、今は火力最大限のオタ集団だ。そもそもトップオタと呼ばれる集団は、推しのイメージは損なわないよう、いつ誰から見られてもいいように公的にはむっちゃおしゃれをがんばるーらしい。どれだけ急いでいても、髪をまいたり伸ばしたり、メイクはばっちり決め、ファッションにも手を抜かない。」
「それはけっして自分をよく見せるためではなく、○○くんのファンって素敵な子が多いよねという押しに恥をかかせないための努力である。見た目だけではなく、立ち振る舞いにも気をつける。一般通行人に迷惑をかけないよう、待機列は乱さず静かに並ぶ。お年寄りがきたら席を譲る。荷物を持ってあげる。鞄には推しのグッズをつけておき、○○くんのファンは優しい子が多いんだねえと最終的に推しの高評価につなげる。」
「要するに、限られた人生のすべてを推しという名の他人に捧げているのである。この愛の深さと困難さを理解していただけるだろうか。」
『美しい彼番外編集』の一説です。
あなたの推しは、誰でしょうか?または、何でしょうか?
家族かもしれませんし、アニメキャラクターかもしれませんし、愛猫かもしれません。
推しへの愛があれば、あなたは後ろ指をさされるような行動を取らなくなります。
その理由は、あなたの行動が、推しへの評価に繋がるからです。
「そこからはあのドラマの何話のあのシーンの笑顔が神だったとか、バラエティでふいにワイプが抜かれたときの気の抜けた表情がかわいかったとか、たまにアホ毛が立っているのが至高、というただのよくある熱いファントークがはじまった。別居三か月、野口宅で禁止されている清居トークを平良も大爆発させた。どれだけ清居への愛を語っても引かれるどころか、かぶせるようにさらなるトークが返ってくる。ー清居会、素晴らしい。」
推しを持ちましょう。
推しを持つ事がより良い社会を作り、最終的には世界平和にも繋がります。