日本人は、他者の意見に反対すると、「その人のことが嫌いなの?」という思考になる人が多いです。
反対意見を出すのは、その人が嫌いなわけではなく、その人の意見に反対なだけです。
この空気を大切にする習慣は、過去には重宝されたかもしれませんが、未来では足枷となるのではないでしょうか。
摩擦を恐れる人は、リーダーにはなれないし、摩擦を恐れている会社から未来を描く商品が生まれるはずもないからです。
投資家の格言の1つに、「投資は相談するな。1人で決めろ。」というものがあります。
複数で相談をすると、投資先が妥協したものとなり、結局は未来を描いたものにはならず、また複数で決める為、失敗したという経験を得ることもできないからです。
ジョブズは、摩擦を恐れないリーダーでした。
開発中のパソコンの起動時間を短くするように命じると、エンジニア達は難色を示しました。
それでもジョブズは、「世界中でマックを使う人が500万人いた場合、1日10秒、余計な時間がかかると年間3億時間程の違いになる。言い換えれば、1年間で100人分以上の人生に相当する時間を節約できるんだ。」と伝えました。
この言葉に刺激を受けたエンジニア達は、その後数週間で起動時間を28秒も短縮しました。
よりよい仕事をする為には、意見を戦わせることを恐れてはいけません。
「2人の人間がビジネス上の問題で常に同意しているとしたら、片方は不要である。」